前著『ハイスクールU.S.A.』は決定的によかった本だったわけだけれど、10年近くたってまたおなじ著者たちの本がでたということで、これは読むべき本決定だったわけである。それで発売日は逃したが翌日に、市内の大小の書店をすごくはしごしたのだけれど、なくて、その後も何度か書店めぐりをしたけれど、なくて、ああ文化果つる地に住むのは心底嫌だ嫌だと思いながら、もちろんこれといった本を
Amazonで買う気など全く起こらず、日々は過ぎていたのだけれど、じつはあそこに行けばかならずあるだろうという本屋があるにはあって、どうもそこは文科系女子みたいな人たちの観光地化してるし、そこの書棚のラインナップは自分が欲しいと思いつきそうな方向性と重なりすぎていてなんか行くとかならずうんざりするところもあって、そこに行ったらたぶんあるだろうけれどそこに行ったら負けだ、と思っていたふしもあったのだけれど、シル
バーウィークなどということもあって、ついつい電車に乗って足を向け、店内を探していたら、話題書みたいなところに平積みになっていて、まぁようやく買える喜びと、まぁ敗北感とかうんざりとかそういう気分とないまぜになりつつレジに持って行き、購入。で、よんだらやはり面白くかつ重要だった。そして、この本の情報量の多さというのが、活字の小ささという物理的条件で迫ってきて、ついつい読む集中力が持続しなくなり、大人になったら心が死ぬのよということばはそういった物理的な条件によってどうしたってさけられないものであるのかと胸を突かれる思いである。そしてしかし、水色地に白抜きの思い切り小さな活字は、失われた
ヤングアダルトを生き続けるしかない者にとっては、酷だと思う。