これも通勤電車で流し読んだ『信じない人のための〈宗教学〉入門』。

信じない人のための〈宗教学〉入門―現代社会と宗教問題の本質 (サンガ新書 41)

信じない人のための〈宗教学〉入門―現代社会と宗教問題の本質 (サンガ新書 41)

Twitterかなにかで、よさげであるといううわさを目にしたか何かで、それではと読んでみた。いちおう対話篇のようになっていて、著者の人を代弁する「一Q禅師」なる変人に宗教の話をしてもらう、という構成。5つの章はそれぞれ、宗教につきものであるようなあれこれ(霊魂、神仏、信仰、救済、宗教そのもの)を、抽象的にではなく具体的な次元で(それぞれ、からだ、ことば、しつけ、くらし、れきし、と平仮名で表記される)捉えて考察すべし、ということになってる。宗教は「霊魂」を扱うといわれているけれど、そういうふわふわしたものを考察するのでなく、それぞれの宗教でからだ(そこには霊的なものと肉的なものが混在している)がどのように扱われているかを観察したほうがよかろう、おなじく「救済」を論ずるよりはそれぞれの宗教がどのように生活様式の中に組み込まれているかを観察したほうがよかろう、というぐあい。そういうスタンスは宗教社会学だろう、と思うのだけれど、まぁ、著者の人はかならずしも宗教社会学というのを押し出してるわけではなくて、まぁ、宗教学の人であるらしい。まぁいずれにせよ、おもいのほかバランスのいい、学生さんに勧める新書本としてはアリな宗教学入門と思った。