某日、たぶんおにぎりを買うついでか何かでなんとなしに購買の書籍部をつらつらと見ていて、なにかのひまつぶしになるかなと思って購入。
ブルーバックスで
ユング心理学入門かぁ、というかんじで、まぁ通勤電車で読む。翻訳もので、著者はイギリスの作家・
占星術師、とかなんとかいう人。「文学の学位を取得すると、小ロンドン地区の成人教育で新哲学のカリキュラムを発展させる」みたいな著者プロフィールで、まぁそういう人がイギリスで
ユングの啓蒙書を書いてるのだなぁと。そういう受容のされ方なのだな、というかんじ。内容は、まぁマンガっていうか挿絵ふんだんというやつで、FOR BEGINNERSシリーズみたいなノリ。わかりやすいかと言うと、まぁ、それっぽい挿絵と挿絵のあいだに断片的な説明がぱっぱっと書いてあって、なんか雰囲気は伝わるかな?というかんじ。とくに
錬金術とか
占星術とかの話になると、挿絵のそれっぽさ(タロットカードの絵柄みたいな)が、それっぽい雰囲気を高めはする。まぁただそうやって伝わるものはというと、なんとなくオカルトっぽいトンデモな雰囲気で、それを
ユングの名において
ニューエイジサイエンスあたりにつなげて正当化しようという、まぁよろしくない感じ。そのへんは、日本の
ユング受容がいちおう、心理カウンセリングをひとつの着地点としていて、まぁ
ユングがいろんな事言っているけどそれはそれとしてカウンセリングとして成立してクライアントが
自己実現します、みたいな着地点になってそれなりのメジャー性を獲得しているのとは違う感じ。むしろこの著者の人の「小ロンドン地区の成人教育で新哲学のカリキュラム」というのがどんなもんなのかが気になるところで、つまり正規のアカデミズムでない成人教育のコースでどのようなカリキュラムが「新哲学」として展開されているのかという。そういうところでこういうかんじの
ユング受容がおこなわれているよ的な?