『桃中軒雲右衛門』『鶴八鶴次郎』『歌行燈』『銀座化粧』と成瀬4本立て。ベルちゃんの可愛さをようやく実感する。

鶴八鶴次郎 [VHS]

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銀座化粧 [DVD] COS-029

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年末のなんとなく空白なかんじの午後、なんとなく映画でもということで、某なんでもでてくるところを物色していたら成瀬『桃中軒雲右衛門』があったので見ることに。それでなんとなく成瀬の芸道ものつながりで、ずっと以前に録画していらいつんどく状態だった『鶴八鶴次郎』を見て、するとついでにその続きに録画してあった『歌行燈』も見て成瀬の芸道もの3本立て、まぁそうするとついでにってことでその続きに録画してあった『銀座化粧』も見ることになったけれどこれは成瀬の水商売もの。昔にNHKのBSで成瀬特集をやったときに録画してたやつで、番組の前後にはトリノオリンピックの予告宣伝が流れるわけで、まぁずいぶんなはなしである。ともあれ、『桃中軒雲右衛門』というのはその特集のときにちょうど録画しそびれて惜しんでいた作品で、とくに『"声"の国民国家・日本』って本を読んだとき(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20090721#p1)雲右衛門が出てきて、いっそう見たくなったなり現在に至ってたんで、まぁ見れてよかった。浪曲師とその妻@三味線弾きのおはなし。旦那が旦那なら嫁も嫁みたいな芸道至上主義っぷりがすがすがしい。『鶴八鶴次郎』は新内の歌い手と三味線弾きの男女のおはなし、長谷川一夫山田五十鈴が幼馴染でくっつきそうでくっつかない、くっつくかと思ったら喧嘩する、まぁそういうラブコメ、いやコメディではないな、芸道ラブもの。でまぁこれはそうとうよくて、山田五十鈴がたいへんに可愛いのである。で、その勢いに乗ってもう一本、山田五十鈴が出てくる芸道ものということで、『歌行燈』はこんどは能とか謡のはなし。木漏れ日の中で花柳章太郎山田五十鈴に舞の稽古をつける場面がよろしい。まぁそんなぐあいで勢いがついてしまったので『銀座化粧』も見るわけだけれど、一転して成瀬の水商売もの、せちがらく、しっかりもののバアのママの田中絹代に金をせびりにくる男あり、金を工面してやる代わりに面倒みさせろと迫るケチ社長あり、いっけん清純な感じの妹分あり、まぁなんだかんだで成瀬はくりかえし同じことをやるわけで、まぁあんのじょう田中絹代ははかない夢を見た瞬間に妹分にあっさり出し抜かれてしまい、まぁ、やるせなきおと言われるわけである。

そういえば、あれ、と思って過去ログを「成瀬」で検索してみると、以前にも年末年始にまとめ見パターンがあるね。とにかくこの12年前のNHKBSの成瀬生誕100年特集というので録画したのがたくさんあったのと、あと、某なんでもでてくるところにもなぜか成瀬の作品がけっこう出ているってのもあって、まぁ上映時間が90分でおさまるものも多いし、まぁ内容的にせちがらかったりやるせなかったり世間胸算用なかんじもあるしで、年末年始みたいなタイミングでまとめ見したくなるというのはあるかも。

ま、そういうわけで今年は55本ということのよう。
 
2017年・・・55本
2016年・・・45本
2015年・・・30本
2014年・・・87本
2013年・・・46本
2012年・・・41本
2011年・・・31本
2010年・・・21本
2009年・・・17本
2008年・・・38本
2007年・・・73本
2006年・・・62本
2005年・・・36本?