れいによって
Twitterで、タイトルかなにか見かけて、まぁそうだな、こういう本が世に問われればちょっといいのかな、と思って、読んでみた。著者の人は、
千葉大学の工学部の教授を長年やっていた人で、工学部のベスト
ティーチャー賞なんかも取っていた人らしい。国立大学というのはいまかなり厳しいという風の噂も聞くので、さてどんなだろうかと読んでみたら、なんだかやたら楽しそうだった。高校の模擬授業に行ったり、
公開講座をやったり、授業でダジャレを連発して学生に相手にされなかったりとか、学生と海辺で合宿研修をやったり、ビール工場の見学に連れて行って学生がビールを飲みすぎて帰りのバスで次々とトイレに行きたくなって大騒ぎ、みたいなはなしとか、教授会では座ってるだけなので他のことを考えて過ごしてたり、博論の
公聴会で院生が大先生とやりあってしまって冷や汗とか、まぁすべては楽しい思い出、というかんじ。まぁ、じっさいにはベスト
ティーチャー賞を取ったというぐらいでたぶんきっと有能で教育熱心な先生だったに決まっているわけなのだけれど、でも、自分よりひと世代上の、定年退職で逃げ切った世代の人が楽しい思い出を語った本、というかんじで、まぁ自分も下の世代よりは恵まれてるんだろうし、まぁなにしろ現在でも相対的にいえばのんびりした大学でなんとかやれてるほうなんで文句を言えた義理でもないのだけれど、この本をいま現在にこのタイトルでこの内容で出されたら、イラっと来る人はいるだろうな、という感想。