通勤電車で読む『新宗教を問う』。

日本の新宗教を新書で概観する的な本。勉強になる。でもって、なぜかクロノロジカルな並びになっていない。
1920年代から60年代までが新宗教の最盛期だ。創価学会もこの時期に発生し、いったんはつぶされたが、戦後に大発展を遂げて、70年前後にはほぼ現在の教勢に達している。・・・これらが第三期の新宗教だ」という創価学会が第1、2章、霊友会系の法華系教団が第3章。
「明治後期から大正期にかけては、出口王仁三郎が率いる習合神道系の大本と・・・これらが第二期の新宗教だ」という大本教が第4、5章。おおよそ明治以降から戦後ぐらいまでをカバーする「新宗教発展の社会的背景」が第6章、どっちかというと時代区分との対応が薄い「新宗教の思想と信仰」が第7章。
「歴史をさかのぼれば、19世紀の初めごろからいくつかの新宗教が活発な活動を始め、急速に成長していったことがわかる。黒住教天理教金光教丸山教、本門佛立講…などが明治時代中期までに持続的な宗教教団となる勢力を持つに至っていたことがわかる。・・・これが第一期の新宗教だ」、ということで、まず第8章で江戸時代の「講」組織とか、石門心学みたいな通俗道徳とかをおさらいして、黒住教の紹介とか、明治政府の対応ぐらいまで。第9章で金光教天理教、ほか。第10章がまた非歴史的な「救済宗教としての新宗教」。
「1970年以降の50年が第四期ということになるが、この時期はこれまで持続的に教勢を拡充してきた教団の多くが、停滞期、あるいは教勢後退期に入る。・・・これまでの新宗教が共有していた特徴と異なる特徴が顕著になってきたのがこの第四期だ」ということで、第11~終章が、精神世界とかスピリチュアルとか紹介しつつ、新新宗教のいろいろを紹介。
ということで、すなおに時代順になってたほうがわかりやすそうなのだけれど、この本では第三期→第二期→第一期→第四期、という順の説明になってるのがなぜなのかはよくわからない。