れいによって
Twitterでちらちら新刊紹介されてたのが気にはなっていたものの、決定打になったのは著者が『ブルーノ・ラトゥールの取説』の人だと気が付いたこと。家庭料理に照準して、アクターネットワーク論的な議論をしてるのなら、面白くないか?
通勤電車で読む『ブルーノ・ラトゥールの取説』。 - クリッピングとメモ
で、通勤電車で読んで、あとまぁ今日は自分の授業で最終試験だったので学生さんがなんか書いてるうちに読んで、あと休み時間に読んだ。さらっとよめたというのもいいところ。それもふくめおもしろかった。
で、下敷きになってるのは、
岩村暢子、阿古真理という人たちの家庭料
理研究、それと、
小林カツ代、
栗原はるみという
料理研究家のレシピ。
で、著者の人は、1960-70年代(モダン)、80-90年代(
ポストモダン)、00-10年代(ノンモダン)という時代区分を立てて、その前史として伝統的な
ムラ社会での料理(というより「村の味」「食べごと」)を阿古から引いてきて、そこから、標準化というベクトルと近代家族的な「家庭の味」というベクトルを導き、モダンの時期には両者が合わさって矛盾なく「家庭料理」という規範が確立された、そこから、カツ代的・はるみ的にそれぞれのやりかたで差異化する
ポストモダン期、そして、いまノンモダン期には、「
クックパッド」や雑誌『マート』が両者を引き継ぎつつ、そこにはすでに「家庭料理」規範への意識が希薄になっており…しかし…というぐあい。ANTっていうか、家族
社会学の授業でこんなようなことはじつはやってたことがあった。ママ友ネットワークとか
クックパッドまで視野に入れてるのがいいところ。
あと、なんでもいいけど、はるみさんレシピに「ファミレス臭」とか
言ってはいけない。