『マンガ 認知症』読んだ。心理学で認知症の人の世界を描くので、意外と当事者研究に近い感触。

ちくま新書だけど、マンガのかたちで描いてあって、各章のおわりに解説の文章がついてるかんじ。で、漫画家の人と心理学系の研究者の人の共著で、漫画家の人の祖母の人が認知症になっていろいろ起こったことをテーマに、なぜ認知症の人はそのようなことをするのか、ということを、心理学の知見から、説明している。「徘徊」とか「もの盗られ妄想」とかについて、認知症の人の世界に内在的に、なぜそのようなことが起こるのかを説明していて、たぶんそれがけっこうていねいなので、あともちろん著者の一人の漫画家の人が認知症の人と一緒に生活しているといういみでの当事者だからというのもあるのだろうけれど(ついでに言うと心理学者の人も、認知症の人の行動とか世界とかを研究してるだけでなくて自身の幼少期の家族の認知症の経験なんかも語っているというのもあるだろうけれど)、当事者研究に近い感触。で、読みやすくて薦められるかも。