通勤電車で読む『教育論の新常識』。厚かったけど読みやすかった。学生さんに勧めよっかな。

先月に出た中公新書ラクレで、『中央公論』とかの記事に現時点での「追記」が付された文章と、あと書下ろしの文章と、いずれもおもに教育社会学の先生方が書かれたものが集められている。これは、と思って手に入れつつ、新書にしては厚いなあ、編者の前の新書『教育格差』も厚かったし、サービス精神で全部乗せ大盛りだったなあ、今回も帯に「20のキーワード 22人の一流執筆陣」と書いてあって、大盛り感が押し出されてるなあ、とかなんとか思っていたところ、その後のある日、あろうことかわたくしごときもののところにも献本いただいて、これはもう読むべしと。ありがとうございます。
で、読んだら、項目ごとが短いことや、まぁ多くの文章の初出が一般の雑誌であることもふくめ、全部乗せ大盛りのわりに読みやすかった。そういうところは学生さんに勧めやすいポイント。あと、「中央」で「公論」というぐらいで、まぁ中央で政治とか行政とかをやっている方たちが読んでこのぐらいの常識ラインを踏まえてくれたらほんとはいいんだろうな、とか、教育について「公論」としてなにか「教育論」を「語る」ような人(というのは、教育の領域では多いわけで、「最近の学校は~」とか誰でもいうわけだし、それが「公論」として、つまりたとえば選挙の一票に結びつくような言説として語られ聞かれるわけで)は、だれでもこの本を読むべしということなんだろう。