『勝手にしやがれ!!脱出計画』みた。

さて、シリーズ第二作。これはですね、ヒロインに相当する女優さんが二人いるのだけれど、ちょっと弱い(オールナイターズとかそっち系のタレントさんらしい)。そしてそれは女優さんのせいというよりは、実質的なヒロインの役回りで機能しているのが、「予備校生の木村君」という頼りない青年で、この青年が、やっかいでちょっとずうずうしくて、しかしほっとけないということで哀川翔前田耕陽のコンビが巻き込まれて振り回されることになる。ところで、『黒沢清の映画術』によると、このシリーズは(というか当時のVシネマのシリーズものは)二本撮りで撮影するということで、つまり、第一作と第二作を一気に撮る。それはまぁ段取り良くやればできるということなのだけれど、脚本に関しては一本をあるていどひとに任せて一本を自分で書くというので短期間で回していたと。で、ひとが書いた脚本から撮っていくけれどこれは時間がなくてほぼ初見でいっしょうけんめいじぶんなりにつじつまを考えつつ撮ると。で、そのあと自分が書いた脚本を撮るのだけれど、こちらは時間がない中で書きなぐった脚本の責任を自分で取らないといけないってことで、いちおうは自分で書いたのだから従ったのだけれどあまりにひどいときには設定を全部なしにして全部アドリブ、とか。なので、一本目は妥協点を見出しつつ撮られたほどよいかんじのものになり、二本目はむき出しのアイディアが並ぶ野蛮なものになる、ということだったそうだ。それでかしら、本作では、笑ってられないような暴力とかいかにも黒沢清なピストルのシーンとかがあったりする。