『勝手にしやがれ!! 逆転計画』みた。

シリーズ4作目。脚本は塩田明彦黒沢清。というわけでこれはバランスのいいほうのやつ。ヒロインは仁藤優子。逆転計画、というのは、競馬で一発逆転、ということ。競馬の映画というと、キューブリックの『現金に体を張れ』などというのがあったな、などと思い出すわけだが、まぁ競馬狂いのダメな父親と可憐な娘そしてその娘に岡惚れするチンピラが、ひょんなことでヤクザの組織同士の取引の失敗に巻き込まれ、転がり込んだ一千万を元手に競馬で一発逆転の賭けに出て…みたいなふうにいえばなかなかワクワクするおはなしではないか、と思うのだけれど、まぁそういうテイストにもあんまりならなくて、おおよそのところはまたしてもフーテンの寅さん。ヒロインの仁藤優子はたばこ屋の看板娘なのだが、父親の河原崎健三が競馬狂のダメ人間で、それもあって大学進学もせず日がなたばこ屋の看板娘をやっているというしだい。で、哀川翔仁藤優子に岡惚れして…みたいなはなし。仁藤優子が可憐なヒロインである限りにおいて、まぁ哀川翔も寅さんってことになるわけだけれど、あるとき急に仁藤優子がダメなかんじに勢いをみせてきて、がぜん競馬映画になり、かと思ったらサスペンスにはならず、奇妙な黒沢清映画というかんじになる。