白鵬が朝青龍まで破ってしまった。「遅れてきた相撲界の渋谷系」というのはどうだろう。

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きのう、魁皇くんを応援していたのに、白鵬が勝ってしまったのだが、今日は朝青龍まで破ってしまった。きのうの中継では、解説の舞の海が舌を巻いていたのだが、たしかに素人目にもわかるような強さだ。今日も、朝青龍に攻め込まれそうになっても、まけなくて、逆転した。舞の海が昨日言っていたのは、「はげしい突っ張りあいをやりながらでもちゃんと相手が見えて判断ができている」という、まあ誰でも多かれ少なかれそうなのだろうけれど、それがちゃんとできているのだと言っていた。今日の、攻め込まれながら体をかわしたのなんかは、相手の動きを見切ることと、自分のボディバランスをキープすることが、すごくうまいのかなあ、と感心しながら見た。
以前、貴乃花が強かったときに、見ていてなんだかすごくロジカルな相撲だなあ、と思って感心していたことがある。最初どういう体勢で組み合っていても、何回かもみ合っているうちにいつの間にか貴乃花十分の体勢になってしまう。詰め将棋を解いていくような相撲なのかな、と思って見ていた。白鵬という人にも、そういう才能があるのかしら、と思う。
昨日のTV中継で白鵬を紹介するエピソードの中で気に入ったのが、「いつも昔の相撲、貴乃花千代の富士のビデオを見て研究している」というもの。そうそう、なんかそういう、サンプリング感覚というか、そういう感じ(80年代ジャズの「新伝承派」とか、90年代の「渋谷系」とかそういう、「ポストモダン」系の)がある、という言い方はどうだろうか。

相撲は、なんか太ってるし、立会いまでが長いし、どんくさそうなスポーツの印象があるのだけれど、考えてみれば、ほとんどの勝負が10秒かそこらで決まってしまう。たとえばボクシングは、3分12R(だっけ?)で、1時間近くかかったあげく判定にもつれこむとかまである。
これは、陸上でいえば、ハーフマラソンと100m走ぐらいの違いだ。