新教育の森:昆虫捕って標本作り 小さな「生死」直面 虫を手に命の尊さ学ぶ

えーとどうなんでしょう。
この活動そのものはいいとして、この記事の書き方はびみょうな気が。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/mori/

自分で昆虫を捕って標本を完成させることを目的にしたキャンプが毎年夏、滋賀県高島市マキノ高原で開かれている。参加した子どもたちは標本にするため、自ら捕まえた虫を殺す。小さな「生と死」に直面し、生きる感覚を感じ取っている。今年で4回目のキャンプに参加してみた。【吉永磨美】
 「オニヤンマ捕ったよ。2匹も。2匹も」
 男児が大きな虫捕り網を手に目を輝かせて駆けて来る。子ども同士が集まって虫かごに納まった互いの“宝物”の虫を見せ合っている。
 カブトムシの入った袋を持った男児が「標本にしたくない」と言い出した。その横の女児が「毒で殺すんでしょ」とぽつりと話した。「かわいそうだね」。別の男児が虫かごを見つめる。
 今年7月27〜29日、高島市内の雑木林で、「全国こども昆虫キャンプ」が開かれた。雑木林は、昆虫や自然をテーマにした写真集を手がける写真家、今森光彦さんの所有だ。今森さんは「昆虫と接する機会を多くの子どもに持ってほしい」という思いから、同キャンプを含む全国各地の親子向けのキャンプなどに参加し、昆虫に関する知識や魅力を伝えている。
 集まったのは幼児や小中学生、保護者ら約140人。雑木林にはクヌギやタモなど数百種類の樹木があり、チョウやカブトムシ、コガネムシなどさまざまな昆虫が生息する。子どもたちは寝食を共にし、昆虫採集から標本作りまでを行う。
 キャンプ2日目の28日午後、標本作りが始まった。
 「昆虫は簡単に死にません」
 今森さんは、ピンセットでつまんだ虫を空き瓶に入れた。瓶には酢酸エチルアルコールを染み込ませた綿があらかじめ入れてあった。
 「30秒か1分で死にます。しっかり殺さないとだめ。ピンを刺したままで動き出してしまう。殺すときはしっかり殺してください」
 説明を聞いた子どもたちは、瓶の中に自分が捕った虫を次々と閉じ込めた。
 「だんだん弱ってきた」。瓶の中では、2センチほどのオオセンチコガネが七色に光る体を動かして手足をばたつかせ、もがいている。小学2年生の女児(7)が手元の瓶を不安そうに見つめる。動きが止まった。
 「硬いよ」。オオセンチコガネの背中にピンを刺そうとするが硬くて刺さらない。手間取っていると、ピンをつけたままでゆっくりと歩き出した。まだ、死んでいなかった。女児は再び瓶に戻した。
 滋賀県長浜市の小学5年生、杉田絵吏さん(10)はスズメガなどガを多く標本にし、「ガもいろんな種類がいておもしろい。今年で(参加は)3回目だけど毎年天気が変わるせいなのか、毎年虫の捕れ方が違うみたい」とキャンプで気づいたことを語った。
 「昆虫のゲームカードより本物がいい。捕まえた時にうれしいから」。三重県四日市市の小学6年生、田中雄士君(11)はカブトムシの内側の薄い羽を黙々と広げてピンで留めている。
 「こんなに熱中する子どもたちを見たことがありますか」
 キャンプを主催する同市の子どもの本専門店「メリーゴーランド」店主の増田喜昭さん(55)が話す。
 増田さんは30年間、絵本や児童書を紹介し販売してきた。十数年前から「物語を読んだり、語る感覚は実際の経験があって培われる」と考え、夏休みにキャンプを企画したという。
 また「生き延びるために必死に逃げる虫との間にかけひきが生まれる。昆虫を捕りながら自分以外の他の命を感じるという経験が、人との付き合いに生きてくるのではないか」と指摘した。
 小学3年生の三男(9)と参加した東京都大田区の医師、北島具秀さん(49)は「虫を見たり触ったりしながら、生き物の死に方にはそれぞれ意味のあることや死の怖さを意識することを子どものうちに知っておくべきだ」と話す。
 ◇採集は日本文化、その素晴らしさ伝えたい−−写真家、今森光彦さんの話
 今から20年以上前、今の子どもの親が子どもの時代には虫捕りの大好きな昆虫少年がたくさんいた。しかし今は昆虫採集を行う子どもは減少し、理科の教科書では教える昆虫の種類も減っている。
 最近は昆虫もペット化し、「昆虫を殺すのはかわいそう」という考えが先行し、多くの子どもは昆虫採集や標本作りから遠ざかっているようだ。
 昆虫は生物の食物連鎖の中で多くの命を支えている命。数も多くて昆虫採集をしたからといってすぐに自然破壊にはならない。
 親は「どうせ死ぬから」と言い、子どもがかごに入れてじっくり昆虫を見ることをとがめて、子どもから貴重な体験をなくさないでほしい。今の子どもにも、一度は自分の手で昆虫を触って死なせてしまう経験を持ってほしい。
 昔の子は、自分で捕まえた虫に対して、どこまで何をすると死んでしまうかなど、自分の手で命の尊さを感じていた。そういう生の体験がないと、生命の認識が薄くなったり、他者への思いやりが希薄になっていくのではないか。
 また昆虫採集は日本の文化の一つで、古くから昆虫をかわいがってきた歴史がある。昆虫少年の復活を目指して昆虫採集の素晴らしさを伝えていきたい。
毎日新聞 2006年8月28日 東京朝刊

標本作りは、そりゃまぁ昔からしてたことで、勉強になるし、すりゃいいんやけど、
それをこの記事みたいに「命の尊さ」みたいなはなしに直結させようとすると、違和感があるなあ。
「命の尊さ」っていうんなら、殺しちゃアウトでしょう。
なんか、いわゆる「神戸の事件」の「聖なる実験」とか、巷で話題という猫殺しとかと、どう区別をつけることになるのか?という気がしないですか。
http://www.mirai-city.org/mwiki/%E5%B0%91%E5%B9%B4%E7%8A%AF%E7%BD%AA%E8%B3%87%E6%96%99