某日、大きめの書店に行って蓮實重彦『ゴダール革命』を購入。ついでにいろいろ見ていたら、岩波文庫で『反復』が出ていたのでこれも購入。
- 作者: 蓮實重彦
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/09/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: S.キルケゴール,Soren Kierkegaard,桝田啓三郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1983/06
- メディア: 文庫
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『ゴダール革命』のほうは、なにせファンなので買って、読んでファンなので満足した。
ゴダールの映画って、わからないのだけれど、わからないというと、わかるとかわからないとかいう次元で見てるのがダメ、とか言われてしまう、という種類の、やっかいな映画なわけで、そうすると、わかるとかわからないとかいわずにただ見てるしかないんで、そうすると、本を書こうとしたって、わかったようなことを書くことが出来ないってことになる。べつに、書いてもいいのだろうし、書こうと思えば申し分なく書けるのだろうけれど、それはゴダールをわかったことにはならない、みたいなことになってくるんで、ただ見る、しかないんだったら、ただ見た、と書く以上になにも書けないはずなのだけれど、まぁそうすると短冊いちまいで済んでしまって本にならないので、ただ見ることやただ見られるだけの映画をただ撮ることについて、うだうだと書いていくことになって、それがあんがいむつかしいことになる。ただ見るのもむつかしいし、ただ見られるだけの映画をただ撮るというのもむつかしいんで、それを説明するのもむつかしい。というわけで、結構な分量の文章が書かれてありながら、ゴダールについて何か新しいことがわかったかというと新しいことなどさっぱりわからない文章を、ただ読んだ、ということになる。ただ読まれるためだけの文章を書いてあるのだから、この本もゴダール?かというと、まぁ、あそこまで無愛想ではないので、まぁ、ふつうにわかる本ではある。最初の章なんか、かなりぐっときちゃったと思う。でもなにがといわれると困る。そういう本。