平成17年10月27日付け朝日新聞夕刊の報道(義務教育費国庫負担、中学校分廃止へ)について(事実誤認)

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/17/10/05102802.htm

10月27日付け朝日新聞夕刊において、「政府は27日、国と地方の税財政改革の焦点である義務教育費国庫負担制度について、全国知事会などの地方六団体の要求どおり、中学校教職員給与に対する8,500億円分を廃止する方針を決めた」との記事が掲載されました。

 義務教育費国庫負担金の在り方については、昨年末の政府・与党合意により「中央教育審議会において結論を得る」こととされており、26日に取りまとめられた同審議会の答申を踏まえ、政府として議論を開始したばかりであり、政府として中学校分廃止の方針を決めた事実はありません。

 したがって、記事の内容は、事実と全く異なる誤ったものであり、文部科学省として朝日新聞社に対し抗議を行いました。

 いずれにしても、文部科学省としては、中央教育審議会の答申を踏まえ、義務教育制度の根幹を維持し、国の責任をしっかり果たしていけるよう適切に対応していきたいと考えています。

あら。
で、アサヒコムはいまのところまだその記事をトップで報じている。
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200510270235.html

義務教育費の国庫負担、中学分廃止へ 政府方針
2005年10月27日16時03分

 政府は27日、国と地方の税財政改革(三位一体改革)の焦点である義務教育費国庫負担金制度について、全国知事会など地方6団体の要求通り、中学校教職員給与に対する8500億円分を廃止する方針を決めた。文部科学省文科相の諮問機関である中央教育審議会は国庫負担の堅持姿勢を変えていないが、小泉首相三位一体改革で地方案を尊重する考えを強調しており、廃止を最終判断した。今後、都道府県間で教職員数や質に格差が生じるのではないかとの指摘もある。

 中教審が26日まとめた答申が首相の意向に対する事実上の「ゼロ回答」だったため、政府関係者は27日、「8500億円をやるのは既定方針と、総理も言っている。あとはこちらで判断する」として、中学分の制度廃止に踏み切る考えを明らかにした。

 国庫負担制度廃止をめぐっては政府与党内に反対が強く、昨年の政府・与党合意では8500億円を暫定扱いとした。「地方案をいかす方策」を中教審で検討し、今年秋までに結論を出すことになっていた。

 文科省の試算によれば、国庫負担を廃止して税源移譲した場合、都道府県ごとに税収能力が異なるため、移譲額は40道府県で現在の国庫負担額を下回る。地方6団体は「格差は地方交付税で埋める」とするが、地方交付税の総額抑制は、政府の既定路線。「教育の質に地域間格差が生じるおそれがある」(堅持派)という懸念が現実化する可能性もある。

 政府や自民党文教関係議員の一部には、「中学校分」の制度廃止ではなく、「小中学校分」の合計額に対する国の負担を引き下げる「負担率引き下げ」によって制度自体を残す動きもあったが、地方側は「国の関与が残り、地方独自の創意工夫による教育は実現できない」と反対していた。

 地方側は中学校分に加え、小学校分約1兆7千億円の国庫負担金を削減して計2.5兆円の税源移譲を目指しており、今回の廃止方針は小学校分廃止の道筋をつけることにもなりそうだ。