「学校教育、ウチが引き受ける」 文科相、主導権を強調

http://www.asahi.com/politics/update/1020/014.html

「学校教育、ウチが引き受ける」 文科相、主導権を強調
2006年10月20日23時25分
 安倍首相の肝いりで首相官邸に設置された「教育再生会議」(野依良治座長)と文科省の役割分担について、伊吹文部科学相は20日、学校教育をめぐるテーマはあくまでも文科省が主導権を握る姿勢を強調した。
 この日開かれた衆院文部科学委員会で答弁に立った伊吹文科相は、家庭や地域社会の教育力を復権するには(1)地方の親の働き場所を確保するための公共事業や工場誘致(2)超過勤務手当を大幅に増額して同勤務をさせにくくし、都市部の親が早く帰宅できるようにするような労働法制の検討――の議論が必要と指摘。そのうえで、「再生会議はむしろそういう大局的な議論をしていただきたい」と語った。
 一方で、文科相は、再生会議がこれから打ち出す報告や提言の中で中心を占めることになる学校教育をめぐる分野は「すべて我が省が引き受ける。(文科相の諮問機関である)中央教育審議会の意見を広く聞いて、いろいろな価値観の中から結論を出していただく」と述べた。この分野については、文科省でもう一度議論した上で、結論を決めるという方針を示したものだ。
 これは、小渕〜森内閣の「教育改革国民会議」の例を踏襲したとも言える。同会議が提言した「大学の9月入学の積極的推進」などは、文科省の審議会で議論されたが、本格的には導入されなかった。
 また、文科相は「教育は市場経済で決まる効率や利潤を超えた価値を扱っている。義務教育に市場原理が入ってくるのは感心しない」と語り、教育分野に競争原理を持ち込もうとしている政府の規制改革・民間開放推進会議の動きも牽制(けんせい)した。

こっちはこっちで綱引き。