メル友いる中高生4割「実際に会った」…群大など調査

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20060509ur01.htm

携帯電話のインターネットを通じて知り合う「メル友(メール友達)」がいる中学・高校生のうち、実際にメル友と会った割合が4割に及ぶことが、このほど、まとめられたアンケート調査で分かった。
 専門家は、未成年が、親の知らないところで社会とつながる危険性を指摘している。
「アクセス制限知っている」保護者の17%
 関東地方の女子大学生(21)は高校時代、ほぼ毎日、メル友と通信していた。出会い系サイトに、自分の携帯電話のメールアドレスを載せると、100通を超える返信メールが届いた。
 「たくさんの異性からメールが届くのはうれしかった。どんな人か分からない点で、危ないと思ったことはあったけど、やめられなかった。実際には誰とも会わなかったが、同級生には会っている人もいた」
 授業中や、生徒会の活動中も机の中に隠してメールをしていた。出会い系サイトがらみの事件が相次ぐようになり、ニュースを見て怖くなってやめたという。
 中学・高校生の多くは、出会い系サイトや情報交換サイトでメル友と知り合う。群馬大の下田博次教授(情報メディア論)とモバイル社会研究所が2005年、全国の中学・高校生4620人を対象に行った調査で、中学生の41%、高校生の48%に「メル友(実際には会ったことはないが携帯メールだけはする人)」がいた。
 このうち、「メル友だった人に実際に会ったことがある」と答えた中学・高校生は38%にも及んだ。また、20代の社会人のメル友がいる中学・高校生は12%。30代から60代までのメル友がいる中学・高校生も4%いた。
 下田教授は「中学・高校生が、親の知らないところで、見知らぬ人と出会うのは危険なこと。親の対応が問われる」と指摘する。だが、同じ調査で、保護者にも尋ねたところ、74%が「子どもの携帯電話利用に関して、親として何かする必要がある」と思っているものの、出会い系サイトにつながらない「アクセス制限」の方法を知っている保護者の割合は17%にとどまるなど知識不足が目立った。
 「親は子どもの判断力や自制心の発達に応じた携帯電話の与え方を考えるべきだ。最初はネット接続機能がない携帯電話を与え、次にアクセス制限を利用し、成人に達してから制限を解除する。そうした知識を持つことが必要だ」と提案する。

 有害サイトにつながらないアクセス制限の機能は、大手携帯電話会社各社が提供している。アクセス制限(フィルタリング)の普及活動をしている財団法人インターネット協会http://www.iajapan.org/)は「購入時に販売店に申し込んで下さい。通常は無料。すでに使用している携帯電話の場合は、アクセス制限ができない機種もあり、機種変更が必要になることもあります」と説明している。(斎藤雄介)
(2006年5月9日 読売新聞)