電車で再読『ドゥルーズの哲学』。あと『パチ漫』あれこれ。

ドゥルーズの哲学 (講談社現代新書)

ドゥルーズの哲学 (講談社現代新書)

ドゥルーズについて、というよりむしろアリストテレスの可能態だの現実態だのいう概念をドゥルーズが整理してなかったっけということで、読み返す。そのへんは以前読んだときよりちょっと実感が出てきた気はする。ただ、後半特にどんどんレトリカルになって、ついてけなくなった。まぁ、以前読んだなあという記憶の中では、ついてけなかったという印象すら残ってないので、一歩前進かなあ、と。
あと、amazonで取り寄せて読んだ『パチ漫』。
パチ漫―かわかずお作品集

パチ漫―かわかずお作品集

おもしろかった。ていうか、パロディっていうかパスティッシュっていうか、で、もう無闇に上手いのだけれど、原作に対してあんまりひねったことをしないという方針であるらしく、そのへん、無闇に上手いけれどデフォルメも何もないそのまんまの、ただきちんと無闇に上手いモノマネ芸、みたいな感じがある。いや、もちろんパロディではあるのだけれど。
たとえば『神罰』などというのは、手塚マンガをエロ漫画にするという禁じ手を、かなり強引にやっている(し、そのことによって、手塚という人の潜在的なエロっぽさを批評的に指摘していることにもなっている)し、
もっと前に読んだのでは、しりあがり寿なんかも強引なパロディをやっていた気がして、へたるほど笑った気がする。
神罰―田中圭一最低漫画全集 (Cue comics)

神罰―田中圭一最低漫画全集 (Cue comics)

底抜けカフェテラス (ウィングス・コミックス)

底抜けカフェテラス (ウィングス・コミックス)

で、『パチ漫』というのは、どうも、あまり無理にひねらないところが薄気味悪くていい、みたいなところはある。
収録作のなかで好きなのは、「名たんていカゲマソ」「コースをねらえ!」そして、ちょっと感動させてしまうグランドフィナーレ「画の鳥」。手塚マンガのパロディもののアンソロジーを作って『神罰』と並べたい。

追記。こちらのかた↓の指摘で気づいた。
http://d.hatena.ne.jp/soorce/20060508#p1

#今気になっているのは、この単行本の構成自体何か別の作品のパロディになっているのに、それに私だけ気付いていないのではないのか、ということだったり。あと、243Pと244Pは逆のような気もするんだけど、どうなんでしょう。

ほんとですね。そうですわ。何でかそういうものだと思って読んでいたのだけれどいわれてみれば乱丁と思えますね。構成についてはわかりませんが。