私大定員割れ:今年度 初めて4割に達した

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20060725k0000m040075000c.html

定員割れした私立大が今年度初めて4割に達したことが24日、日本私立学校振興・共済事業団の調査で分かった。過去最悪の事態で、短大も5年ぶりに5割を超えた。大学、短大への進学希望者数と総定員が等しくなる「大学全入時代」の到来を来春に控え、私学経営が厳しさを増す実態を裏付けた形だ。
 大学550校のうち、今年度の入学者が定員に満たなかったのは222校で、定員割れ率は40.4%。542校中160校(29.5%)が定員割れした前年度から62校も増加した。定員割れ率は89年度以来1けたで推移した後、99年度に10%を突破。00年度から30%前後をたどり、今年度初めて4割を超えた。また、定員の5割にも満たない学校は前年度から3校増えて20校(3.6%)となった。
 短大は373校のうち193校が定員割れ。定員割れ率は51.7%と前年度から約10ポイント伸びた。
 また、大学の今春の志願者数は約295万人と3年連続で減少、志願倍率も6・70倍と3年連続で低下し、過去最低を更新した。しかし、入学定員3000人以上のマンモス大学(23校)だけを見ると、志願倍率は10倍を超え、志願者数も約5万人増加。全体の約4%のマンモス大で志願者全体の約45%を占めている状況だ。
 地域別の志願倍率は東京9.28倍▽京都・大阪8.09倍▽近畿7.7倍の一方、中国3.08倍▽四国3.0倍▽甲信越2.84倍と大都市圏に集中しており、「学校規模や地域によって二極化が進む」(同事業団)実態が浮かんだ。
 同事業団は定員割れの増加について「少子化の進展に対応した学校側が人気学部を作ろうとして定員増を進める一方、スリム化が進まないことが定員割れに拍車を掛けている。私学にとって真剣に生き残りを考えなければいけない時代になった」と話した。【長尾真輔】
毎日新聞 2006年7月24日 20時47分