大映の雷サマ映画を勢いで。『新・忍びの者』『薄桜記』

新・忍びの者 [DVD]

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薄桜記 [DVD]

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積読でずっと置いてあったまま見てなかったビデオを引っ張り出して見る。勢いというのは便利なものであるね。
両方とも森一生監督。『薄桜記』のほうがあちこちの本で褒めてあったので楽しみにしていたのだけれど、じぶんてきにはちょっと力はいりすぎだなあという感想。
加藤幹郎『映画ジャンル論』
映画ジャンル論―ハリウッド的快楽のスタイル

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ってのがあって、フィルム・ノワールかなんかの定義で、ヴォイスオーヴァーで回想からはじまる、ってのがあった気がしたけれど、そういうこといえば『薄桜記』はまさにそれなのである。で、そのへんが、手が込みすぎっていうか、自分的な森一生イメージはもう少しあっさりすっきりした感じなので、それにしてはちょっとこりすぎではないの、という。
『新・忍びの者』のほうは、まぁ、見るからに続編って感じのタイトルで、まぁ、そういういみでの凝り方はしないですむ作品だったのではないかしら。で、これは以前、森一生の次郎長物を見て思ったのだけれど、森一生の次郎長一家はなんだか官僚組織みたいで、いまひとつ任侠っぽくないのである。おなじように、この作品も、忍者映画なわりには、忍法っぽくないのである。よく知らないので適当なイメージで言えば、ビジネス雑誌かなにかに出てくるビジネス小説、みたいなテイストなのである。
ま、それはそれとして、大映の雷サマ映画、じつはまだ未見の録画済積読ビデオがあって、『眠狂四郎』4本立て(だっけ)なんてのがあるぞ。