趙が十段を防衛したので『囲碁・将棋ジャーナル』を待ってたら特別番組で渡辺竜王とボナンザの対局の特番をやってた。ボナンザのがんばりに涙。そしてボナンザの作者は加藤ローサ似。

http://www.sankei.co.jp/igo/judan/070425/jdn070425003.htm

【第45期十段戦】五番勝負第5局 趙が3連覇
 趙治勲十段(50)に山下敬吾棋聖(28)が挑戦していた産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第45期十段位決定五番勝負」の第5局は、両者2勝2敗のあとを受けて25日午前9時半から東京都千代田区日本棋院で行われ、午後7時58分、252手までで黒番の趙が3目半勝ちし、3勝2敗で防衛、3連覇を達成した。持ち時間各4時間で残りは両者1分。
 再び“最強の挑戦者”を迎えた五番勝負だったが、充実の50歳が気迫と集中力で挑戦を退けた。この結果、趙は自身の持つタイトル獲得・棋戦優勝の最多記録をまた一つ更新した。趙十段は昭和31年、韓国釜山市生まれ。木谷実九段門下。43年入段(プロ初段に)、56年九段。十段6期のほか棋聖8期、名人9期、本因坊12期などタイトル獲得・棋戦優勝は71回。
 趙十段の話「きょうはひどい碁だった。10回くらい負けちゃってた。3連覇だけどそんな感じにならない。あまりにもひどすぎたんで…」
 ■趙十段、気迫と集中で3連覇
 かきむしったボサボサの髪、興奮冷めやらぬ紅潮した顔が激闘のあとを物語っていた。
 25日、東京都千代田区日本棋院で行われた十段戦五番勝負第5局で、趙治勲十段が挑戦者の山下敬吾棋聖を下して防衛を決めた。
 今期の五番勝負は昨年の再戦。直前の棋聖戦を4連勝で防衛した“最強の挑戦者”を迎えて、趙危うしの声も少なからずだった。が、碁盤を前にした趙は昨年同様に自然体。加えて、今年は自分に対する自信もよみがえったのか、盤上没我の姿は気迫と集中力が増してみえた。秒読みになってからの的確さ、冷静さがその充実ぶりを表している。
 趙先番(黒番)で始まった第5局は、右下、白10のカカリから12と三間に飛ぶ山下の意欲的な構想から始まり、白が20と動き出して戦端が開かれた。ここが最初の勝負どころで、白26、28とツケ切ったあたりでは、「白がサバキ形になった」が、立会人の高木祥一九段、解説の石田章九段ら控室の見解。だが、両者ぎりぎりのところで読み合う険しい競り合いが続き、容易に優劣はつかず、戦いは全局に広がった。
 中盤からは両者秒読みになる緊迫の攻防。その中で趙の打ちまわしがさえた。得意のシノギにまわる展開に持ち込んで優位を築き、そのまま押し切った。
 初タイトル獲得から30年以上もタイトル戦で戦い続ける趙が「僕は大器晩成だから…」と、おどけて言っていたのは昨年の防衛直後。得意のジョークと聞き流したが、今期五番勝負は全盛期をほうふつというより、いままさにその中にいる強さだった。これでタイトル獲得・棋戦優勝の最多記録を71に更新、果たしてどこまで伸ばすのか。
 山下棋聖の話「シリーズを通していろいろ悔いが残ることが多くて残念です。もっと勉強して自分の中で消化してまた五番勝負に出てきたい」

というニュースに喜んで、『囲碁将棋ジャーナル』を見ようと思っていたら、連休だけに、将棋の特番をやってた。
たぶん再々放送ぐらいだと思う、『運命の一手』っていう番組。
ニュース的には、対局があることも、その結果が渡辺の勝ちだったことも、でも薄氷だったことも、目にしていたのだけれど、まぁ、将棋だし、そんなところだろうなとは思っていたので、さほど見ようとは思っていなかったのだけれど、なんとなく見始めたら、おもしろかった。
なんつっても、ボナンザくんの思考のログってのが残っていたところがおもしろかった。
あと、まぁドキュメンタリーのつくり方がうまくて泣かせどころを知っていたってことだろうと思うのだけれど、ボナンザの作者のあんちゃんがボナンザに注ぐ愛情のこもった眼差しがとてもよくて、あんちゃん自身は将棋のことなどぜんぜんわからないのに、対局が決定的な場面に差し掛かったころに、「見てられなくなって」廊下に煙草を吸いに出てしまい、そこで待っていたカメラの前で、「(ボナンザは、作者がにげだした)今もいっしょうけんめいうごいてるんですよね」とか水を向けられて、ふふっと笑い、「そうですね」と言い、「今ごろ悪手を指してんじゃないかな」なんて言うのだけれど、それはちょうど、ボナンザが一挙に形勢を失する一手を指したのを読み上げる声が廊下に聞こえてきたときで、それでも作者はわかってないで、でも直観はしているのである。それはやはり、愛情と言うしかないではないでしょうか。ボナンザよくがんばった!
で、この作者のあんちゃんが、顔が加藤ローサにそっくり&対人恐怖ぎみな31歳理系研究者の卵くんだったのも好印象の一因である。