- 作者: 白井聡
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/05/11
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- 作者: 中村昇
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/06/08
- メディア: 単行本
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ざーっと読んだ。
『ホワイトヘッド』のほうは、
ちょうど平積みになってた増補新版の丹生谷貴志のすばらしいテキストを思い出した。
- 作者: 丹生谷貴志
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2007/05/01
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『レーニン』のほうは、じつは先日、朝日の書評で見て、欲しくなってたんでようやく手に入れたんだけれど、読んでみたら、書評の人と似たような?感想。
書評の人は、なによりこの若い人がレーニンを、旧い年代のひとたちのような思い入れ抜きに、扱っているのに驚いてるというか当惑している感じだったのだけれど、えーとまあそんなかんじ。
えー、まずですね、お話の前提として、中沢新一『はじまりのレーニン』(1994)って本があって、これはよかったわけです。
- 作者: 中沢新一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/06/16
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で、くだんの書評の人はどうかわからんですが、わたし的には、中沢本についていえば、旧来の思い入れから切れていることに当惑したりはしないわけです。面白いので。
ところが、この本はですね、なんかすごく教科書的なレーニンなのですよ。
べたべたなレーニン紹介で、ただ、語り口には明らかに、思い入れがない。ていうか、書いている本人はとても新鮮な気持ちで「レーニンって実はすごいこと言ってるんだぜ!」みたいなつもりが透けて見える。(ただし、暴力革命のところだけ、暴力のニュアンスが薄められているのは、著者の人のくふうだろうね。)
なので、えーと、おいおい、というかんじで、当惑してしまう。
まぁもちろん、つまらない本ではないです。
公平に見て、著者も言っているとおり、現代の社会で、マルクスやレーニンの言ってることはいよいよよく当てはまるようになってきている、というのもうなづけなくもない、
って言うか少なくとも、政治家・理論家の器として、あべちゃんやら小沢やらよりいくらなんでもレーニンのほうが偉いのは間違いないので、『美しい国へ』の1000ばいぐらいレーニンが読まれてしかるべきなんで、
こういうべったべたなレーニン紹介本もあっていいんじゃないですか?というかんじ。
ちなみにあとがきを読んだら、この本、もとは著者の修論だそうです。
えーそんなもん金とって売るなよ。という声が喉まで出かかります。
あと、この本でレーニンとフロイトを重ねながら、レーニンの言ってることをユダヤ教と重ねてますが、
中沢本では、たしかキリスト教の三位一体説やヤコブ・ベーメの神秘主義なんかが重ねられてて、
そのへんの議論の怪しさと芸の幅からして、やはり中沢本のほうが上手かなあと。
やはり中沢本を読んだほうがいいかも。