『夢の分析』このての本ならではの、不思議に面白いかんじ。

夢の分析 (講談社選書メチエ)

夢の分析 (講談社選書メチエ)

先日、売店で昼食がわりに買って、通勤電車のなかで読み、寝る前に読み寝起きに読んで読み上げた。
一冊かけて、ひとりのおばさんの一連の夢を分析している。で、このおばさんの、ふしぎなシャーマニックな意識のあり方が徐々にはっきりと浮かび上がってくるところがおもしろい。それはたぶん、このおばさんが異質であるということではなくて、このおばさんはたぶんどこにでもいそうなおばさんで、だけどそういう人が意外とふしぎな内的世界を持ってたりするのだ、ということだと思う。
いずれにせよ、夢を丁寧に読んでいってそこから垂直・水平の軸だとか、超越性とか内面性とか、そのたそのたの主題を浮かび上がらせていく手つきがあざやか。

このおばさんの夢分析を、諸派の分析家に読んでもらった論集、ってのが近刊だ、と書いてあったのだが、amazonではまだみつからないみたい。
夢の読み方 夢の文法 (講談社プラスアルファ新書)

夢の読み方 夢の文法 (講談社プラスアルファ新書)

こんな新書も出ているのね。