『国際シンポジウム小津安二郎』『遊びを育てる』買った。

遊びを育てる―出会いと動きがひらく子どもの世界

遊びを育てる―出会いと動きがひらく子どもの世界

溝口のシンポジウム本がよかったので、小津のシンポジウム本も買った。シンポジウムとしては溝口のほうがよかった。やりとりがあったので。こっちのほうは、なんか参加者が盛りだくさんで、そのせいで、言いっぱなしになってるかんじがあった。
黒沢清が話が上手だった。
吉田喜重がしゃべった、小津とのプライヴェートなエピソード、亡くなる直前に病院に見舞いに行って一言、言われたという小津の言葉、おもしろいと思わなくもないけれど、そういうのをこういう場で特権的に言うってのは、ちょっといやなかんじがする。

そうそう、これを書き留めておく。
日本の若い監督たちがそろって、油断すると小津ふうになってしまうので自分で禁じている、と言っていて、それには時代的&世代的な条件があったのだ、というはなしなのだけれど、そうすると、
変態家族 兄貴の嫁さん [DVD]

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この作品はどうなのよ、と、思うのだけれど、言及はされない。
全篇これ小津、という怪作で、それも、そこらのなまなかな「小津ふう」ではないぐらいちゃんと小津で、しかもそれを低予算早撮りのピンク映画で実現してしまったというこの作品を、やはり好きなので、
世代的な油断ってことで切り捨てたくないなあと思った。
それで、周防正行がこのシンポジウムに出ていたら、と想像してみたりもするのだけれど、黒沢・青山といった人たちが批評家的なことを書いたりしゃべったりしてるのは見慣れているけれど、周防ってそういう感じではないのかな、とか。