通勤電車で『遊びを育てる―出会いと動きがひらく子どもの世界』。バッタがとぶはなしがいい。

遊びを育てる―出会いと動きがひらく子どもの世界

遊びを育てる―出会いと動きがひらく子どもの世界

この本、『包まれるヒト』の椅子を作る人の章の著書で、こんどは佐々木正人のほうがゲストで呼ばれて対談をしている。
包まれるヒト―“環境”の存在論 (シリーズ ヒトの科学 4)

包まれるヒト―“環境”の存在論 (シリーズ ヒトの科学 4)

障害を持った子どもたちが、たんなる身体機能のトレーニングってことでなく、「遊び」を通じていろんなことができるようになるっていう、作業療法にたずさわってる著者の本で、研究ってかんじではなくてもっとふわふわっとした感じでしかもおもしろい。
子どもたちがいる部屋にバッタを放すと、バッタを追いかける遊びがはじまる、ぐーっとバッタにむけてみんなの意識が集中していく、バッタが空間を作り出す、みたいな話。バッタがいいんであって、ちょうちょでもカブトムシでももひとつで、やはりバッタが、ぱっと跳んだり、目の前でじっとしていたり、突然顔にぶつかってきたり、捕まえるとトゲトゲしていたりやわらかかったりギチギチともがいたり、予想できなそうで予想できそうなうごきをしたり、そういう「バッタ性」ってのがあるという話。
また、作業療法に携わるのに、子どもや障害について知っているより以上に、バッタやタンポポや光について知っていることが大切、みたいなはなしとか。アフォーダンスですね。