『時速1000字で書く技術』というのはタイトルがキモ。

時速1000字で書く技術

時速1000字で書く技術

まぁ、自分が役に立てようかというのと学生さん達がというのと両方で買ってみた。すぐよめた。
で、この本のキモはタイトルで、つまり、「時速1000字」というと、わあすごいと一瞬思うけれど、1000字というのは原稿用紙2枚半、あるいはこの本の言うところの「A4で1枚」弱、である。
この本は、いちおうビジネス書みたいな体裁で書いてあるけれど、基本的には、河合塾の国語の先生が、小論文の指導をもとに書いたもので、つまり、「60分で1000字の小論文を書け」という設問への対策、というかんじ。そう聞けば、なあんだ、ふつうじゃん、というわけである。
それで、じつはあとがきで弁解をしてあるのだけれど、それを読む前に本文を読んでいる最中に気づいたのだけれど、「時速1000字」がわあすごいと思われるのは、1時間で原稿用紙2枚半書くからではなくて、原稿用紙50枚を20時間で、250枚を100時間で、500枚を200時間で書き上げる、ということだからだ。「時速」という限り、そういうことで、そうでないのなら、たとえば筆が進んでいるときには瞬間風速的に秒速何文字、みたいなスピードにもなってるわけで、でもそんなこといってもいみない。
それで、なんだかなあと思いながら読んでいたら、あとがきでそのまんまのことを自分で言って、なんかごちゃごちゃ弁解していたので、まぁ悪い人ではないのだなと思った。
この本を読んで自分が役に立つかどうかというのはようわからんけれど、学生さんならこのぐらいの本でも新鮮に読んでくれるかもしれん。