- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/09/30
- メディア: 文庫
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で、あれやこれやの風のうわさからなんとなく想像していたかんじとちがって、主人公がほとんど動かないであれこれ喋っているか電話してるか手紙を読んでいるか夢を見ているかしてるうちに都合よく進んでいくという不精ったらしい話で、いつもながら嫁が謎の失踪をするし、いつもながら老若男女おなじ村上春樹文体で喋ったり書いたりしてるし、「ちょっと気の利いた言い回し」みたいなのが頁の中にいやというほど乱発されてるし、なんかやっぱり村上春樹だなあ、まんぞくまんぞくと思いながら読了。
まぁしかし、世代的なもので、やはり村上春樹というのは出れば読むもんなんだろうなあという気がして、そういう側面からいえば自分の時間はこの十数年のあいだ止まっていたのだ、とか、空虚な抜け殻としてただ生きてきたのだとか、言えなくもないだろうけれど別に村上春樹読書的側面などまぁどうだっていいことで、さしあたりようやくいくつかの長編を読んで追いつくことができるなと思う。