先日、学校帰りに商店街の本屋で購入、風呂で読んで、あと寝起きに読みあげた。
- 作者: 石原千秋
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/12/13
- メディア: 新書
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ただ、村上論、というと、なんかうんざりさせるんじゃないかという先入観があって、あんまし読まない。なんか、「春樹さんファン」ってたぶんうんざりさせるし、そういう人たちのサークルをマーケットにして生産されて流通する、なんかやたら「闇くろ」がどうの、井戸がどうの、壁抜けがどうの、コミットメントだのデタッチメントだの、みたいなワードを駆使してごじゃごじゃいってるような村上論って、ぞっとしないなあ、と。いや、読んでないのでそうじゃないかも知れないんだけれど。
のだけれど、この本、著者がテクスト論の人だし、「春樹さんファン」のスタンスに立ちそうなタマでもなさそうなので、ちょっと期待して購入。
とりあげてるのが、最初期の「鼠三部作」と『世界の終わり』と『ノルウェイの森』まで、っていうのがよかった。で、基本的な分析枠組みのひとつが「ホモソーシャル」ってので、まぁそれじたいは、村上春樹ってそうだよね、というのは見れば(「春樹さんファン」以外のすべての人には)すぐわかるし頻繁に言われているようなことなのだけれど、その枠組みのうえで、テクストからいろんなテーマを拾っていって再構成しているのがおもしろい。
ここで扱われている作品って、自分的にはちょうど、学生時代に同時代的に読んでたもので、ということは、もうなにが書いてあったか忘れたものでもあるのだけれど、なんか読み直したらおもしろいかもなと思わせるような分析だった。