某所で薦められてた『六〇〇万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス』読んだ。すごくいい本だ。学生に薦めたいっていうかこういう話がつうじるようになってほしいんだけど。

某所で薦められていて、気になって読んでみた。「クックパッド」という日本最大の料理サイトがありまして、というあたりは知ってたけれど、この本はその会社のやってることの紹介。
なんだけれど、会社の理念レベルのはなしを軸にしつつ、徹底的に利用者目線で作りこまれたウェブサイトのデザインの工夫のはなし、それを可能にするテクノロジー(お料理サイトの会社ではあるけれど、別の面は、優秀なエンジニア集団を擁するテクノロジー企業でもあるという)のはなし、そのテクノロジーを使った徹底した利用者リサーチとデータ化と分析のはなし、そうしてできあがった優秀なコンテンツが、でも最初のうちはぜんぜん商売になってなくて、口コミだけで利用者はどんどん増えていったのに利用者増加はコスト要因にしかならず(利用者が増えるとサーバを増強しないといけない、アクセスが集中するとサーバがダウンしてしまう)、企業としてうまくいってなかったのが、営業部門の有能なスタッフが参加したのを転機にいっきょに成功していったはなしとか、それらをふくめた企業としての経営のはなしとか、いろんなレベルの話が見渡されてる。
読んでぐっとくるし、この本は薦めたいのだけれど、たとえば学生に薦めるとして、通じるかなあ、と思ってしまうところもあるのは、こういういろんなレベルの話をぜんぶカバーして全体を見通して何かができるようにほんとはなってほしいし、うちのところの領域なんてまさにそうなんだけれど、なかなか実際問題として学生のときにこの本がピンときてくれるかなあ、と思ってしまうところはある。ま、そのぐらいぐっときた本ってことで。