- 作者: 村上春樹,大橋 歩 画,
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2011/07/07
- メディア: ハードカバー
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そうそう、もっともらしいことというのでいえば、これ『anan』で連載中のエッセイの、「2011年3月23日号」までをまとめたものだと。その号は3月16日に発売、だったのか、というと、このエッセイにまとめられたうちの最後の文章はたぶん「3月11日」の直後に読まれた(たぶん書かれたのは「3月11日」以前の)もの、ということになる。それが、この本の収録順で最後の「ベネチアの小泉今日子」であるのかどうか、もしそうならちょっとできすぎだし、まぁいずれにせよ加筆修正というのがなされているのでそう話は単純には行かないだろうけれど。うーん、やっぱりそれっぽいのを最後に持ってきたか?という気もするけれど。いずれにせよ、このエッセイ集には「3月11日」以前、という刻印を押されてるような気がして、ということはいま連載中のものがまとめられる次のエッセイ集が、「3月11日以後」、ということになりそうだ。『anan』読んでないのでわからないけれど、この人らしく「オウム以後」や「9.11以後」みたいな姿勢にまたなるのか、それともへらへらとしょうもないかんじでいくのか、というところは、ちょっと気になる。
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さらに追記。
雑誌連載のエッセイを本にまとめるタイミングとして3月で一区切り、というパターンがあるのか、
金井美恵子のエッセイ集も、震災まえまでに執筆されたであろう文章でまとめてあって震災後に出版だったのだけれど、あれは「あとがき」で震災に言及している。ていうか言及してさらっと流してる。そういうやりかたがあるわけで、そうするとやはりこの村上本は、震災のシの字も出てこない、震災後に書かれたであろうまえがきにもあとがきにも出てこない、というのが、意図的であるように見えなくもない。もしそうならその意図やいかに。