http://nhk.jp/chronicle/?B10002200090806250030165
四半世紀も前にジャズに入門すると、そのころはビリー・ホリデイというと「あの「奇妙な果実」のビリー・ホリデイ」みたいなイメージがあって、ジャズ本をあれこれ読んでは聴くとか、それっぽく選曲されたベスト盤のレコードやらCDやらをあさるとか、そういうふうにいくと、やっぱり、えー?べつにそういうのいらないし、というふうになって、まぁじっさい時代的に言ってまだ録音はクリアじゃないし、わざわざ暗い気持ちになる必要もないので、まぁあんまり聴かなかったわけである。でも、自分の年代というと、後藤というジャズ本の書き手が売り出した頃でもあり、後藤という人はビバップ中心、パーカー中心で音楽主義的な聴き方を押し出そうとしていたので、ビリー・ホリデイについても、暗い背景とか人生とかよりもジャズシンガーとしての歌い方のほうに焦点を当ててたわけで、まぁヒントはあったのだけれど。
で、後藤本で薦められてた『アット・モンタレー1958』とかは確かに(ヘンだけど)さほど暗くはないなあとは思ってたし「When Your Lover Has Gone」なんてのは好きな曲になったわけだし、また、このとき(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20051011#p2)に買ったのも、まぁ微笑みながら歌っている感はあったわけで、悪くないんである。まぁ、こっちも齢をとってきたというのもある。
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のだけれど、NHKが再放送にあたって番組のおわりにくっつけた、なぜか登場の鴻上尚史のコメントは、さっぱりだめだった。ビリー・ホリデイはたんなる「愛情を知らなかったトラウマまみれの自尊感情の低い不幸な人」ではなかったというのがドキュメンタリーの結論だったんじゃないの。それをなぜわざわざおさだまりのDV共依存イメージを繰り返すかなあ。
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