いまひとつわくわく感がなかったのは、こんなのこのへんに住んでふつうの生活をしていたらぜんぜん余所事でしかないので。東電デモなんて東京でやってることで、ふつうの全国の人にとってはインターネット
かせいぜいテレビかなにかの画面の中の出来事のように思える。もちろん、たとえば『貧乏人の逆襲』の人の言動は面白いし、わくわくする。それは、この人ならきっと東京じゃなくてもどこでも自分のいるところでおもろいことをしてみせるだろうという感じがするから。でも、この本からは、そういう感じは受けなかった。なんか、デモでも事件でも、何かのロケ現場でもいいけど、テレビが中継しているときにレポーターの後ろでピースピースとかやってるガキがいる、そういう感じをうけた。いま東京でデモが流行っている、オレはその東京で時代の最先端に立ち会ってるんだぜ!関係者に知り合いがいるぜ!ウォールストリートオキュパイのやつも見物に行ったけどすごかったぜ!でも東京も負けてないんだぜ!みたいなかんじ? でも、なんかこの本を読んで、ふと本から目をあげると、自分の生きている世界と著者のはしゃぎっぷりとの落差についついどうしたもんでしょう、と言いたくもなるし、そのはしゃぎっぷりの内容が意外と未だに
岡崎京子だったり
ボアダムズの
山塚アイだったりすると、妙な懐かしさとともに、そもそも東京といってもさらにその一部の
伝統芸能化しつつある
サブカル仲間の内輪のおしゃべりのようにも見えてきて、なんか、もりあがられてもねえ、ついついこれまたどうしたものかなあと思ってしまう。