通勤電車で読む『はたらかないで、たらふく食べたい』。けっこうおもしろいアナキズム本。

はたらかないで、たらふく食べたい

はたらかないで、たらふく食べたい

なぜこの本が手元にあるのか、たぶんTwitter界隈でこのまえ、「だまってトイレをつまらせろ」云々についてあれこれ話題になっていた(「だまってトイレをつまらせろ」?――朝日新聞政治部次長の奇妙なコラム)のをみかけたことから興味を持ったのか、ともあれ、おもしろいというので読んだ。おもしろかった。たとえば『無産大衆真髄』(「無産大衆」の検索結果 - クリッピングとメモ 傘を持って歩いたら晴れ。非常勤先で試験。 - クリッピングとメモ))矢部史郎、山の手緑という人たちがいて、『貧乏人の逆襲』(「貧乏人の逆襲」の検索結果 - クリッピングとメモ)の松本哉という人がいて、けっこうそういう本はおもしろいのである。矢部史郎+山の手緑の詩的なところとはまた違う方向性である種のポエジーはかんじさせつつ、語り口は松本哉、ていうか松本哉という人が天才的なアジテーターで活動家というところなのだとすると、この人はそういう活動力みたいなものはさっぱりかんじさせないで、語り口は扇動的なのだけれどそれが等身大の活動の次元ではないわけで(それこそ「だまってトイレをつまらせろ」とか「豚小屋に火を放て」とか)、しかしそれがある次元で何かを突いていると感じさせるために、ある種のポエジーを感じさせる、というところか。