『欲望のあいまいな対象』みた。

欲望のあいまいな対象(1977) [DVD]

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映画のメロドラマ的想像力

映画のメロドラマ的想像力

INTERVIEWルイス・ブニュエル―公開禁止令

INTERVIEWルイス・ブニュエル―公開禁止令

先日の古本まつりで買った『映画のメロドラマ的想像力』をぼちぼち読んでて、言及されてたので久々に再見。昔に「CINEMAだいすき!」で録画したもので、当時に見てから四半世紀ぶりに見たというかんじ。『ルイス・ブニュエル公開禁止令』なんかもひっぱり出して当該のところを読み直したりしつつ。金持ちのフェルナンド・レイ若い女に入れあげてじらされて翻弄されるというだけのはなし。で、そのコンチータという若い女の役を、キャロル・ブーケとアンヘラ・モリーナという二人の女優にやらせている − 一人二役ならぬ、二人一役という − まぁばかばかしい趣向があって、まぁ貞淑なコンチータと淫蕩なコンチータという二面性がくるくる入れ替わるのでフェルナンド・レイは翻弄される、ということなんだけれど、まぁ、さほど難しく考える必要のないちょっとした思い付きによるばかばかしい趣向で、それは『ルイス・ブニュエル公開禁止令』で本人が言ってるわけで、つまりさいしょはマリア・シュナイダーで撮ろうとしてたのがうまくいかなくてどうしようかとプロデューサーと首をひねっていたときに、ふと「二人の女優にすればいいじゃないか」と思いつき、もちろんすぐさま没にしようとしたのをプロデューサーが乗ってしまってこのようなものができたのだよ、という、まぁそのインタビュー自体もブニュエルの韜晦かもしれないにせよ、まぁいずれにせよブニュエルなんだからぜんぶ悪い冗談と思っておけばいいんじゃないかと思う。