『システムを「外注」するときに読む本』。おもしろい。システム発注者目線でみたプロジェクト管理のはなしを小説仕立てで。ただ、なぜちょいちょいゲイねたを入れてくるのか?

システムを「外注」するときに読む本

システムを「外注」するときに読む本

なんか書評(やまもといちろう 公式ブログ - 【書評】目次ですでに感動巨編『システムを「外注」するときに読む本』 - Powered by LINE)が目に入って面白そうだったので、通勤電車で読んだり。プロジェクト管理ものはいくつか読んだけれど、これは、システムを発注する発注者目線の本。で、自分的には、いくつかの学内のシステム導入のときに何やかんやの委員として会議に出たり、ベンダさんのプレゼンを見たり要件定義だとかの話にも首を突っ込んだりあれこれしたことは何度かあるので、おもしろかった。著者の人はITコンサルをやっている人で、また、裁判所のIT案件専門の調停委員とか長くやっていたということで、トラブルに陥った無数のプロジェクトを扱ってきたと。
で、

少し前まで、日本のシステム開発プロジェクトの成功率は3割と言われていました

だそうで、7割は何らかのかたちで失敗すると。えー、7割、と思うけれど、失敗の内容を「納期オーバー」「コストオーバー」「完成したシステムに希望の機能が入っていない」などといわれると、これはなんとなくわかる。で、その失敗を回避してプロジェクトを成功させるには、ベンダさんだけに責任を押し付けててはだめで、発注者側がどれだけきちんとしっかりとコミットするか、が重要だよ、というおはなしになってきて、それもわかる。自分が参加したことのあるいくつかの会議の出席者、当時の大学側のシステム部門の人とか、業務の当事者の職員、教員、大学の偉い人、あとシステム会社の営業の人、SE?の人とか、の顔とか、どんなやりとりをしたかとかを思い浮かべながら楽しく読めた。
で、この本、まぁ今風にというか、小説仕立てで各章いろいろなケーススタディについて書いていて、主人公が筋肉マッチョ熱血系、導師役がクールな有能美人ITコンサルということになっているのだけれど、なぜか話のあちこちにちょいちょいゲイねたを入れてくる。