- 作者: 加藤文俊
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2009/11/06
- メディア: 単行本
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キャンプ、というかカレーを作ったりフォークダンスを踊ったりするほうのキャンプについては、むかしに読んでここに感想を書いた(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20061111#p3)本で提起されていた「ピクニカビリティ」という言葉を思い出す。もしそれに対して逆に「キャンプ」をさらに魅力的な概念として提起するような議論があるのなら、ちょっと読んでみたいと思ったのである。
・・・ピクニックとキャンプの違いをご存知だろうか。ピクニックは本来社交の場であり、ホストとゲストがない平等な集会である。だから煮炊きのような労働を誰かに課すようなことはしない。これに対してキャンプは軍隊の行動スタイルが基盤になっており、設営や炊事といった労働とその役割分担を通じて仲間意思[ママ]を共有しようとするものだ。拘束状況のアレンジメントを遊ぶタイプのレジャーである。
私はピクニックが優れてワークショップ的であると思う。逆かもしれない。ワークショップがこなれてファシリテーターを必要としなくなった時、それはピクニックのように自由で楽しい雰囲気になる。どんな人も参加し、それぞれが理解可能なように語り、新たな「発見」を共有する場となるだろう。