たぶん
Amazonのお勧めで、また会議本が出ているなと思ってかってしばらく
積読にしたあと通勤電車で読んでみたわけだけれど、気がついたら著者は『キャンプ論』の人で、ということはどちらかを買ったらどちらかがお勧めされたみたいなことなのか、とも思うわけだけれど、ともあれ読んでみたところ、これ内容的には会議の本というよりは、「グループワークの
ファシリテーター論」みたいなかんじの本。著者の人は、ラトガース大学のコミュニケーション研究科で
Ph.Dを取ってて、そのときの博士論文(未刊行、2003年)が生涯教育ゲームの
ファシリテーターについてのもののようで(関連するっぽい編著(英語)が2004年に出ているのだね)、たぶんその研究だろうと思うけれど、ビデオ分析がこの本の中心的な章になってる。ゴフマンとかを参照しながら、
ファシリテーターがグループワークのあいだにどう移動しているか、どういう立ち位置にたつことで自分をどのように呈示し、あるいは「見えなく」しているか、等々を論じている。げげっと思って自分の論文リストを見たら、生涯教育ゲームについて自分がはじめて書いたのが2004年の3月の論文、
ファシリテーターの動きが役割と連動しながら場作りをしているというネタの論文は2016年3月で、いちおうこの本が2016年9月なのでこの本よりは先に出てはいるのだけれど、まぁ、ぞっとしない。自分が先行研究のレビューができてなかったということなので。著者の人はどうやら「日本シミュレーション&ゲーミング学会」で活動している(いた?)人のようで、そこでは1996年に
ファシリテーターについて発表しているようである。この学会について自分が知ったのは、じつは去年にその2016年3月の論文を書いているときで、そのときはそういう学会もあるのかーと思っていた程度だけれど、もう少しきっちりとチェックしなくては。