- 作者: 市田良彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2018/09/21
- メディア: 新書
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『資本論を読む』のころのアルチュセールが構造的因果性どうのこうのとか言ってたのと、「国家のイデオロギー装置」のアルチュセールがイデオロギーどうのこうのとか言ってたのと、晩年のアルチュセールが「偶然性の唯物論」とか言ってたのとが、どうつながるんかいなというはなしだけれど、じつは1966年のメモにはすでに偶然性唯物論のテーマが書きとめられていて、つまりアルチュセールが時期によって変化したというよりは、ずっと一貫してるじゃないかと。で、その一貫している「アルチュセールの哲学」を読み出そう、そのためにスピノザの『知性改善論』『神学政治論』『エチカ』を大幅に参照しよう、もちろんアルチュセールがスピノザを参照していたのは周知だしそもそもスピノザ・ルネサンスの震源はアルチュセールその人だったというわけでいまさらスピノザの名前を出すことぐらい珍しくないかもなのだけれど、とにかく大幅にスピノザでアルチュセールを読解し一貫した「アルチュセールの哲学」を浮上させよう、という。