通勤電車で読む『PUBLIC HACK』。きれいな『貧乏人の逆襲』。

このまえ、『創造性をデザインする』を読んだ(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2022/06/08/124700)ときに、楽しそうな本がたくさん参照されていて、そのうちの一冊。公共空間を自由に使おう、という本はけっこうあるのだけれど、意外とヤな感じの本が多いと思う。なので警戒しながら読みはじめたのだけれど、この本はよかった。こっち側の本だと感じた。
公共空間を活性化しよう、ということじたいはいまさかんにおこなわれているよと。ところが、そうすると、公共空間だから不公平にならないように、みたいな思惑がはたらいて、できるだけ公平にかつみんなのためになり…みたいなことを担保しつつ、かつ、民間の力を導入して活性化しましょうみたいなことをやると、参入のハードルだけむだに高くなりまぁ民間というのは定義上、私的な利益がないとなりたたないわけだし、そうすると、けっきょく、ごく限られた(たぶんようするに結果としては採算を合わせながら公益ですみたいなフリが上手にできるプレゼンテーションのノウハウを持ってる?)、けっきょく特定の企業みたいなのしか参入できなくなる、そうするとけっきょく、公共空間がにぎわってるように見えながらけっきょく店に入ってるのと同じことにしかならないよね、金を払う人だけが楽しむ場所になるよね、そんなの公共空間じゃないし、つまんないよね、という立ち位置が最初に書かれて、それで、公共空間ってのはきらくに勝手に使えるところだよ、「みんな」の迷惑になるから何もやっちゃダメ、というのじゃなくて、「みんな」の中には自分も入ってるんだから、自分がその空間をじぶんのものとして楽しく使っていいじゃないの、ただ、自分も自分以外もあわせた「みんな」なんだから、自分と自分以外の人たちがみんな楽しく共存できるためにおたがいのことをちゃんと考えながら使えばいいんだよね、それをめんどくさがらずにちゃんとしさえすれば、公共空間はみんなにとって自由でいきいきした空間になるよね、みたいなはなし。
で、いろんなアクションが紹介されてる。パリッコさんのチェアリングも紹介されてるし、『野宿野郎』のひと(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/20110825/p1)も紹介されてるし、まぁそんなかんじ。
で、ふつうっぽいかんじで書いてありながら、法律をちゃんと知っておこうとか、警察が来た時にどうするとか、まぁ警察ってのは通報があったら法律がどうであれ来ざるをえないので、通報されないように気を配るのが重要だとか、なんかなにげにいいかんじのことを言ってる。まっとうな社会人の人が書いた本に見せているけれど、中身はきれいな『貧乏人の逆襲』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/20081003/p1)ってかんじ。