『残された酸素ボンベ』読んだ。

残された酸素ボンベ

残された酸素ボンベ

「科学と社会をつなぐコミュニケーション型推理ゲーム"nocobon"」というのを開発したのだそうで、その説明&そのもの(巻末にダウンロードのパスワードがついている)が本になってるもの。
カードがたくさんあって、それぞれに、実際の事例に基づいたクイズが載っている。何人かのグループでやる。一人が出題者になって、ほかの人が解答者。解答者は、「はい/いいえ」で答えられるクローズト・クエスチョンをして、出題者の答えを聞きながら正解を推理していく。というのが基本的なルールで、まぁ基本的にはなぞなぞゲーム。で、いくつか掲載されてる問題と解答をみるかぎり、問題だけ聞いて推理だけで一義的に正解がわかるというものではなくて、それはなぜかというと実際の事例に基づいた正解なので。なので、キモは、出題者と解答者の、質問と答えのコミュニケーション、というところで、それによって答えを絞り込んでいく。質問がクローズト・クエスチョンに限られているのは、出題者が勝手にいろいろヒントを出すさじ加減によってゲームが左右されてしまわないため、いいかえれば出題者主導でゲームが進んでしまわうことなく、質問者主導のコミュニケーションの小刻みに回数を重ねた積み重ねでゲームが進むように、ってのもあるだろう。それはそうかもしれない、言われてみればなるほどの工夫だと思う(学生さんも、授業でゲームを作るときになぞなぞゲームをやることはあるけれど、だいたい、質問の難易度加減と出題者のヒントのさじ加減によって決まってしまって、いまいちコミュニケーションゲームになってくれないところがあるんである)。