新型コロナ関連でいろいろな影響がひとごとでなく出てきてるので、現時点でどう考えることにするか自分むけにまとめておくことにする。
→長くなったので、この記事を3/17-3/20に書いた「その1」ということにする。専門家会議提言3/19以降は別記事に移しつつ。
https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2020/03/21/123448
https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2020/03/26/173212
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基本的には、現時点で出ている最新の「専門家会議」の情報(3/9時点)。
新型コロナウイルス対策の専門家会議の見解がリリースされましたね。
— 天理大学 生涯教育 (@tule1992) 2020年3月10日
現状、国内の感染は一定程度もちこたえてるので、ひきつづき気を付けましょう、ということのよう。
これまでのデータの分析から、気を付けるべき点も徐々に見えてきつつあるみたいですね。https://t.co/tWtTohco8S
で、まぁ3/9段階の情報で言うと、
全体で見れば、これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていません。
ということのよう(で、この「80%は感染させてない」というのはたしかほかの風邪とかインフルとかと変わらん数字だというのもどっかのサイトにあった(履歴にリンクが見つからない)【→補足。なんかちがうみたい。やはりこれは今回のコロナのインフルと違う特徴であるらしい。まとめその2に登場の吉峯弁護士まとめ記事で参照されてるGrantz論文のくだり】)。
そうすると、自分的には、「人」に注目するより、「場」に注目するべしなのだな、「クラスター」というのも、そういう理解なのだな、と考えることにする。
そういえばけっこう初期の頃に、妙に納得したのは、言い回しは忘れたけれど趣旨としては、もしこれが「空気感染」するのであればもっと感染状況がぼやあっと広範にわたるものになるだろう、でも実際にはかなり感染経路が特定されるかんじで局所的に出てきている、つまり接触感染や飛沫感染が主なもので、そこに気を付けることが必要なのである、という(たしか岩田医師のTwitterじゃなかったかな)はなしで、なるほどそういうふうに考えるのか、と思った。
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「人」に注目するより、「場」に注目するべし、と自分的に考えることのメリットは、「人」に注目して考えるとあとで↓書くように、無症状者もすべてつまりようするにすべての人を潜在的感染者と考えるべしということになってそれはまぁそうなのだけれどあまりそれだけを追及すると対応のやり方が際限なく過剰になるよりなくてたぶん現実から離れてしまう、でも「場所」に注目して、罹患してる人がほかの人に感染させる「20%」の環境を作らないように、という方針を立てると、現実的な気の配り方とかやり方をいろいろ工夫する余地が出てくるんじゃないかと思えること。
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状況のデータの見える化をしているサイト。
「都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ」
gis.jag-japan.com
新型コロナウイルスの状況マップ
www.coromap.info
新型コロナウイルス感染速報
covid-2019.live
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日本は検査数が少ないではないか、これは隠蔽ではないか、という線で考えている人が(たとえば社会学者の中にも)たくさんいるけれど、
自分的には、この検査体制は現状でそれなりに理にかなっていると考えることにする。
いじめでも少年犯罪でもなんでもいいですが、公式統計のデータには読み方に注意を要する、あるいはかなり根本的に見たまんまとは違う読み方をしたほうがいいものは、もちろんあるわけで、まぁそれでも、調べ方が間違ってるから公的データはデタラメだの一本やりではこれまたもったいないわけで、たとえば国の専門家会議であればまがりなりにもそこにいちおう国中のデータがいちばん集まる可能性があるわけで、それがまがりなりにも一定のやり方で公開されているのであれば、それをどう読み取っていくかを考えるってほうが意味があるだろうと考える。
で、このたびのこの件に関して現時点で、いま専門家会議等からリリースされる情報をことさらに疑っても、素人である自分にはそれ以上に信頼のおける情報は得られないんじゃないか、まぁ基本的にはいま与えられているうちのもっともましな情報をもとに考えるのをベースにするのでなければ合理的に考える足場がないことになるだろう、
ていどの理由がひとつ。
もうひとつは、なんだかんだいって3/9の段階でいえば、専門家会議はそれなりに状況を把握して多少なりともコントロールしているように見えるし、
もしそこに見えていない(気づかれてさえいない)巨大な暗数が潜んでいたら、状況はもっと支離滅裂に推移しているだろうけど、そこまででもないように見える。たとえば重症化したり残念ながら死に至る人というのが出てきているけれどその数はそんなにめちゃくちゃにごまかすことはむつかしいんじゃないかと思う。病院にしても自治体や国にしても、いまどき、即座に情報開示するか、逆にもし隠蔽するなら徹底的に100%隠蔽するか、二つに一つだと思う(中途半端にやると組織にとっても大ダメージだし)けれど、隠蔽しきれることもないだろうから、ようするにできるだけ情報開示する方向で行く方にインセンティブがあるだろう、と考える。
専門家のあいだでも見解がわかれたりしているのは興味深いけれど、見てる感じ、大筋のところで一致している、ということのほうが重要で、
そのうえで意見が分かれているところについてなるべくバランスよく情報を見ていきたいと考える。
えーと例えば、ダイアモンド号のときの岩田医師とほかの専門家の人たちとの論争みたいな感じで。
岩田医師はTwitterで情報発信してはりますね。
twitter.com
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そういえば、今年はインフルエンザの流行が劇的に抑えられてた、というはなしがたしかあって、だからたぶん、この社会の人々の、たとえば手洗い励行などという対策が、なんらかの程度、効いているんじゃないか、という気もする。手洗いの習慣とか感染症にかんする基本的な知識とかいうのは、この社会でこのところの状況でかなり向上したと思うし、これは長い目で見ればよいことになるでしょうね。禍福は糾える縄の如し。
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で、では具体的にどうすればいいのか、ということについては、これも現時点では、
3/9専門家会議の報告をうけての解説記事。
専門家の意見を聞いてみようということでこんな記事も出てますね。
— 天理大学 生涯教育 (@tule1992) 2020年3月10日
乗り物、スポーツ、文化施設、会合、仕事や授業など、いろんな場合に分けて、
どう考えて何に気を付けたらいいか紹介してます。https://t.co/DQdI9qNdWt
「○○をしてはいけない」というのは簡単だけれど、重要なのは、「どのようなことに気を付けた上で、○○をできる」というのを見ていくことだと考える。
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たとえば大学によって、Web授業、などという声も出てきてる。
京大の高等教育研究開発推進センターが提供しているこういう情報が役に立つかもしれない。
メディアを利用して行う授業|Topics | CONNECT
でもまぁ、
いま、これをビジネスチャンスとばかりにWeb会議のサービスが宣伝してるけれど、
全国の(というか世界中の)大学(や小中高校そのた、あるいは学会や企業)が同時にそのサービスに押し寄せることになるとそれはそれでうまくいかんだろうなあと考える。
でもまぁ、大学とはとか学校とはとか、いろいろなものが見直されるきっかけにはなるだろうね。
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でまぁそれはそれとして、ずっと前から、流行の当初から気になっていたのは、「無症状の人も感染源になるよ」というはなしで、
もしそうなら、あらゆる人が潜在的な感染源ということになって、それはかなり対策を立てるときの考え方に関わってくる。
で、きのうNHKの特集番組でも、子どもが家庭で高齢者に接することについて、専門家の人が、こまめに体温を測って気を付けていればOKみたいに言ってて、アナウンサーが「無症状で感染もあるということですが」と言ったら無症状であればウイルスの放出は少ないので的なことをたしか言ってたけどまぁむにゃむにゃ感はあったし、たとえばTwitterでもそこに引っかかる人は出ていた。
症状が出てる人と無症状の人、持ってるウイルス量は同じだと調査結果で分かったと先日放送されてました。
— ミキティ(Micky) (@1120micky) 2020年3月16日
今の放送を見ていたら、無症状の人は放出するウイルス量が少ないと思うと言っていましたが、デタラメは困ります。
で、
たぶんこれ、現在進行形なので結論が出ているわけではないことで、また、確率的な問題なのでリスクとQOLのバランスで判断するしかないことなんで、現段階で専門家の人に一言で「答え」を言えというのはむつかしいってことだろうなあと思う。まぁ、専門家の人というのはそれなりの感触というのを持っているはずなわけで、たぶん専門家的な感触として、特に症状があるわけでもないふつうの人や子どもたちが家庭での高齢者との接触を控えるようなことは、現実的にみて、しなくていいのではないでしょうか、というていどの意見なのだろうと思うし、それをデタラメとまで言うのは酷だろうなあとは思う。
とはいえ、考える手がかりぐらいは欲しいものである。
で、まぁたとえばということで
考え方のひとつの補助線として、インフルエンザの場合、症状が出てない人が感染源になることはどのぐらいあるか、というQ&A。
身体の中にウイルスがどのぐらいいるか、それがどのぐらい・どのような形で排出されるか、それがどのぐらいのあいだ活性を持続するか、みたいないろいろを含めて、まぁ、可能性としてはありうるけど現実的にはさほどかもね、今後の研究が待たれるね、というぐらいの湯加減のよう。
www.jmedj.co.jp
インフルエンザとコロナとは違うといえば違うけれど、考え方の順序としては似てるんじゃないか、等々。
あと、
もし感染したとして、まぁ治ったとして、どのぐらい待てば「人にうつす」危険がなくなるか、というのも気になるところ。
これについては、意外に長いから気を付けよう、というぐらいの湯加減のよう。
たとえば
「「陰性まで9日超」「再陽性2割」“無症状患者”調査で判明」という3/13の報道。クルーズ船乗船者で感染してた人の経過を調査したデータのよう。
www3.nhk.or.jp
ただまぁ、
この「再陽性」というのについては、検査の精度の問題もあるかも、というのも見かけたし、ウイルスが肺のほうに残っててまた出てくるのだ、というニュアンスのも見たことがあるかも。よくわからないけれど、まぁ気を付けつつ続報を待とう、というところ。
↓
ブックマーク。
「結局のところ、新型コロナウイルス感染症は空気感染するのか?」坂本史衣 | 聖路加国際病院 QIセンター感染管理室マネジャー 3/18(水) 20:38
news.yahoo.co.jp
NEJMの記事によれば、研究者たちは人為的にエアロゾルを発生させる装置を使い、新型コロナウイルスを含む粒子径5μm未満のエアロゾルを密閉された金属製の円筒の中に閉じ込め、円筒のなかのウイルス量(力価)を3時間のあいだに5回測定しています。その結果、細胞に感染することが可能な、生きた(活性のある)ウイルスは約1時間後には半分に減りましたが、3時間後にも10%強残っていたと報告しています。
実験で使われた円筒の中は「ウイルス量の多い密閉空間」だったわけですが、これは新型コロナウイルス感染症が起こりやすいと指摘されている、
換気の悪い密閉空間
人が密集していた
近距離での会話や発声が行われた
という 3条件が「同時に重なった」空間の再現だと言うことができます。
・・・
以上から、この問いに対する回答は、次の二つになるかと思います。1 医療機関では細かいエアロゾルの産生量が増える処置を行う際に空気感染のリスクが一時的に生じることがあるが、N95マスクなどの適切な防護具を使用することでリスク回避が可能である。
2 日常生活では上記の3条件が重なる場所に行かなければ、空気感染するリスクはほとんど無いと考えてよい。