『旅のおわり世界のはじまり』。黒沢清×前田敦子×ウズベキスタンの、120分間ほぼ奇矯なところのない『ドレミファ娘』というか。

旅のおわり世界のはじまり

旅のおわり世界のはじまり

  • 発売日: 2020/03/11
  • メディア: Prime Video
黒沢清、こんなの撮ってたのかってことで。見てみたらおどろくべきことに、犯罪や殺人の類、暴力の類、幽霊や怪物の類が全く出てこない。なんでもでてくるWikipediaによると「日本とウズベキスタンの国交樹立25周年、及びナヴォイ劇場完成70周年記念の国際共同製作作品」とのこと。まぁそんな立派な映画で、幽霊を棒で殴る映画とかできないわね。しかし黒沢清で犯罪や殺人の類、暴力の類、幽霊や怪物の類が全く出てこないというと、なんかあったっけ、というわけで、『ニンゲン合格』はそうだっけ?あとは、『神田川淫乱戦争』『ドレミファ娘の血は騒ぐ』ぐらいかしらと(いわれてみれば『打鐘』ってのがあったか…)。で、特典映像の舞台挨拶のなかで監督が、「20代の最初の頃に作った映画に似ていると言われた」っつってたのは、『ドレミファ娘』のことかな、と。女子が主人公で、よくわからない異郷を迷い歩く、歌を歌う、みたいな。あとまぁ、これは黒沢清ごのみというか、拷問機械みたいのは出てくるね。『ドレミファ娘』にも出てきてたけど。あとはそうだな、川にばしゃばしゃ入るところは一瞬だけ『神田川淫乱戦争』かなあとか。まぁ、山頂で歌うのは『ラ・パロマ』に…これはなかなかねえ、やはりならないけれど。