『ハウルの動く城』みた。人体変形。

ハウルの動く城 [DVD]

ハウルの動く城 [DVD]

  • 発売日: 2005/11/16
  • メディア: DVD
なんかずっとまえに録画してたのをみた。なんか原作の物語があるようなのだけれど、さしあたりこの映画だけ見て物語のスジがわかってつじつまが合うことを期待するのは、まぁ、さっさと放棄するわけである。そうするとどうかというと、そもそも登場人物の見た目がことわりなしに変形するし、まぁどっちかというと若くて整った形態から老いたり気味悪かったり、たとえば首がないとか逆に首の部分が妙に太長くてその先端に顔面が埋め込まれていたり、あるいはしまいにはドロドロの粘液状になったり、変形するわけで、そうするとまぁこれは登場人物のキャラクターを追いかけていこうというよりは、人体変形そのものを見るというかんじか。宮崎駿なので空を飛ぶとか風が吹くとかいうのもあるし空中戦のシーンもあるていどあるけれど、さほど見せ場というわけではたぶんなくて、本作ではそれよりは、「動く城」のがしゃがしゃとした造形と妙に生命的な動き - まぁ、なんかいくつかのガラクタ的な絵をコラージュして貼り合わせて動かしているように見えると言ってしまえばそれまでという気もしなくもないけど - のほうが見どころのような気もする。あと、物がぼろぼろと壊れ落ちていくかんじは宮崎駿だけどそれが人体変形とも共鳴しつつ、全体的に、人体毀損をふくめ、形あるものがすべて古びていきぼろぼろと壊れ落ちていくという全体的なトーンを作ってるといえるかも。や、まぁなんかどうやら最後はそれなりにまとまったハッピーエンドの形がつくみたいなのだけれど。