自分むけにCOVID-19関連について現時点でどう考えることにするかをまとめておく。(その18:12/1-)

月が替わったので記事を立てなおす。

話題は「オミクロン株」である。南アフリカで発見されたという第一報が11/26だったのか。で、5日でここまで情報(とウイルスそのもの)が到達していることにまずはおどろくべしである。
オミクロン株 濃厚接触者、千葉県内に13人 全員陰性、健康観察は継続 熊谷知事「特別な対応必要」(千葉日報オンライン) - Yahoo!ニュース
ヨーロッパでは、渡航歴のない人も感染者になってるということで、市中感染してるねとなっている。まぁそれはそうだろうな。
オミクロン株、まだまだどんな性質を持ってるかは不明、理論的には手ごわそう、また、デルタ株よりさらに感染性が強いのではという懸念もあるが、いずれにせよ現時点ではようわからんが正解だろう。
オランダで、南アフリカからの飛行機の乗客のうち61人がコロナ陽性、13人(以上)がオミクロン株感染だったというニュースが11/26,28日に流れて、むむ?飛行機というのは機内の換気が十分なので基本的にはクラスターが起きませんというはなしだったはずだが、飛行機内で感染だったら今までと話が違うじゃないかと一瞬思ったけれど、仮に機内で感染しても、空港で検査してすぐに陽性になるかね?感染成立してから体の中でウイルスが増殖して検査陽性反応が出るまでには何日かかかるとしたものじゃなかったっけ、と思い直しているところ。また、もし機内で感染したのであれば、うつし元のひととうつり先のひとは当然、同じ株であるはずだから、61人中オミクロン株が何人、みたいにはならないはず(別記事では、オミクロン株でも13人の中でさらに少しずつ型の違うのが発見されたということだし)。なので、もう少し続報を見てみないとだなあと。

希望的観測を言うと、いま、日本国内ではデルタ株がほとんどで、デルタ株は当初、最凶レベルの感染力だと言われて、すれ違っただけでもうつった的なニュースが話題になったし、まぁ実際そうだったのだろうけれど、いま、まだ今日時点では感染者数はさらに低下を続けているぐらいで、それはつまり、デルタ株の感染性がなくなったのでなければ、ワクチンとマスクと生活様式の合わせ技が効果を発していると考えるべきってことになる。で、オミクロン株がある程度デルタ株より感染性が強かったとしても、同じ理屈で、なんだかんだ抑え込めるような希望的観測は個人的に持ってる。
他方、もし仮に、これまでだいじょうぶとしたもんだった飛行機の中で感染がおこったとすると、おなじことが通勤電車の中やらで起こらないとは限らない。そうなるとやはり困る。つまり、感染性が強くなるにしても、閾値みたいなものがあって、つまり電車はだいじょうぶだよみたいなことが言えるか言えないかで大きく違う。それを超えてくるようだとやっかいではある。で、まぁたとえばデルタ株の当初、百貨店的なところでクラスターが起こり、換気等の対策が見直されたんだったはず。それで百貨店でクラスターみたいなのはたぶんなくなった。でまぁ、感染性が強くなるとそういうスキが許されなくなり、スキを突いてクラスターが起きるとか何とかいうことがおこり、しかしそこからみんなでがんばってなんとか対策が見直されることになる。で、たとえば電車はコロナ当初からクラスターを恐れられつつ結論的にはだいじょうぶってなってる。とくに、いま換気をしながら運行してて、まぁ自分の通勤電車とかだと、一時期よりは混んできたけどものすごく満員というよりはまだましで、まあたぶん全国濃淡はあれど、自分的にはほぼ怖さは感じないし、じっさいいまのところ通勤電車クラスターは起こっていない(起こってたらわかるわけで)。で、もし仮にウイルスの感染性が強くなっていまのままだと電車の危険度がでてくるみたいなはなしになったら、それに応じた対策を講じるしかないわけだけれど、通勤電車にそれが可能かってのがあり、まぁたぶんがんばったら可能だろう(たとえば全国でやはりテレワークをもっともっと推進しましょう見たいな流れがまたでてきたり)、そのへんはその対応をきちっとしてくれたらいいなあと思う。

12/11.
オミクロン株はいまのところ、国内にぽろぽろ入ってくるところを空港で検疫でキャッチできてて、いまのところまだ市中感染という感じにはなってないみたい。だいたいみんな「時間の問題だろな…」と思いながら見てる感じではある。
実効再生産数は全国で1を超えてきて、「下げ止まり感」から「再上昇」に切り替わったのではというかんじがある。


まぁ、たぶん年末年始には第6波だろうと思ってたわけで、12月の上旬ぐらいまでもちこたえて抑えることができてきたのであれば、そこから上り坂を登っても比較的低い山で済んでくれるのではと期待をする(たぶん第6波が来るとしても正月明けまでは、動く人は動くわけで、だけど年末年始というのが終わったらブレーキが意識されると思う)。

オミクロン株について。「感染力」が強くなるだろうというのはほぼ見えてきてて、それがデルタ株の4倍とか5倍とかじゃないかというニュースが出ている。
ところで「感染力」とはけっこうなマジックワードだ。
上のツイートの元記事を読むと、

京都大の西浦博教授らによる、感染力を示唆する推計が報告され、南アでオミクロン株が確認された初期に、感染者1人が平均してうつす人数「実効再生産数」がデルタ株の4.2倍に上った。

とある。実効再生産数は、社会の状況とかワクチンの接種状況その他によってちがうので、解釈がむつかしいけれど、意を汲んで、南アでのデルタ株の流行期とオミクロン株の「同じような流行期」とで比較して4.2倍の実効再生産数だったよ、というぐらいの意味にとっておく(「同じような流行期」というのの意味がむつかしいのだけれど)。まぁ少なくとも「基本再生産数」のことを言ってるわけではないだろうし、まだ基本再生産数がわかる段階では全然ないだろう。同じような条件と見たばあいに実効再生産数が4倍だったから基本再生産数も4倍ぐらいになるかもね、みたいなニュースと受け取っておく。
また、実効再生産数が4倍、というのの意味もよくわからんところもあって、実効再生産数じたいが「比率」なわけで、たとえば実効再生産数0.5の4倍が実効再生産数2.0になるか、といわれると、なるような気もするし、意味が変わってくるから違うんじゃないかという気もしてくる。
また、こんご基本再生産数が計算されるとして、たとえば新型コロナ初号機の基本再生産数が2~3、アルファ株がその1.5倍ほど、デルタ株の基本再生産数はさらにその倍で5~9という推定で、これは水痘(みずぼうそう)並みだみたいなことが言われていた(参考→ https://www.covid19-yamanaka.com/cont1/43.html )。でも、水痘はいわゆる従来から言われていた「空気感染(飛沫核感染)」で、ウイルスが含まれた飛まつが乾燥して水分がなくなったものが空中を長時間漂って遠くまで飛んでいって感染する、というやつで、それこそ建物の端っこから端っこまでみたいな感染のしかたをするわけだけれど、新型コロナにかんしてはいまのところいわゆる空気感染ではないですよ、「エアロゾル感染」ですよ、飛沫感染の範囲内ですよ、ということになっている。なので、かりに基本再生産数が同じでも、感染の仕方や対策の仕方が全然違ってくるだろう。空気感染しないということであれば、密を避けてディスタンスを取ってれば対処できることになる。ぎゃくにいうと、空気感染しないのに基本再生産数が同程度に高いということは、それだけ打率がいいというか、ホームランは打たないけれど単打の打率がめちゃめちゃ高くてイチローもびっくり、という理解でいいのか。たとえば仮にウイルスが100匹まとまって人体に侵入しないと免疫に勝てず感染成立しなかったのが、10匹でも免疫に勝てるような精鋭部隊になったというか、たとえば仮におなじ数のウイルスが人体に侵入して免疫と戦ってこれまでは勝率が1割だったのが戦闘力が上がって5割に上がったとか、(→追加、そうそう、デルタ株がでてきたときに言われてた、感染者のウイルス量がすごく多い、というのがあった、それもあるね、ともあれ、)まぁそういうかんじで、感染力(基本再生産数)が大きくなるといってもいろいろな側面が、たぶん、あるんじゃないかなあと思う。おはなしをもどすと、そういうわけで、一匹一匹のウイルスの戦闘力が上がって再生産数が上がるということはあっても、飛沫感染ないしエアロゾル感染の範囲であれば、同じ考え方、同じ方向性で対策をしていれば、防げる、ということではあると思う。まぁ、具体的に例えば換気をどのぐらいよけいにしないといけないかとか、それはどのぐらい現実的か、ということはでてくるかもで、たとえば換気を十分にすべしの方針はそのままでも、空気中のウイルスの数が少なくても感染がおこるのであれば、より頻繁に大きく換気をしないといけなくなって、たとえば通勤電車でそれができるのか、もはや現実問題通勤電車ではむつかしいですになると、影響がかなり大きくなるなあとは思う。前の書き込みで「閾値」といったのはそのへん。
まぁ、ようすをみるべしではある。

12/22.
はてさて、全国の数値と、それからとくに東京とかの数値が再上昇に転じたといよいよみんなが言うようになってきた、けれど、そのことと、オミクロン株というはなしが同時並行的に流れている。オミクロン株は、いまのところはたぶんまだ水際対策がほぼできている範囲内ってことだろう(沖縄の米軍基地クラスターが心配ではあるけれど)。ただ、市中感染が始まると垂直立ち上げ的に感染が広がるという海外の例を見せられているので、これは「いまか、いまか」と息をのんでハラハラしてるかんじ。だけどまぁ、これはそれ以上に考えようがない。
で、従来株のいまげんざいの国内の感染状況に関して言うと、これは思ったよりはずっとましと感じる。自分的には、ここでは、前の記事の10/1のときから、10/31にも11/27にも、この記事の12/11にも、下げ止まりじゃないかとずっと思ってたわけで(まぁそれは基本的にははずれてないとおもうんだけれど)、でも実際の感染状況はそれからもなかなか完全には下げ止まらず、だらだらと下がり続け、ようやくそろそろ再上昇がはっきりと見えてきたぐらい。11/17には「「10万対発生数」が、東京0.9、大阪1.8、兵庫1.0、京都1.1、奈良0.5、ってところ。きつかったときの100分の1ぐらいか。」と書いてて、11/27には「れいによって「10万対発生数」をみると、東京0.8、大阪1.0、兵庫0.6、京都0.6、奈良0.2、ってところで、つい10日前に上↑で書いた時よりさらに下がっている」と言ってるけど、いまは東京1.1、大阪1.0、兵庫0.8、京都0.9、奈良0、ってところで、まぁ上がってきてるけれど思ったほどではないし地域によっては11月半ばよりまだましってところもある。この状態で年末年始をなんとなく切り抜けることができれば、第6波はうまくかわせるのではないか…というのが従来株の感染状況だけみたときの希望的な心証なのだけれど、まぁ、じつはそんなことを思っていてもあまり意味はない。なぜかというと、オミクロン株がいずれ遠からぬ将来に国内で市中感染を始めるだろうから。いやまぁ、「市中感染」といういいかたの手前で、「クラスターで制御」というのがはさまるか。クラスターが発生しても接触者を追跡して感染制御することができれば、市中にまん延するところまではいかない。もんだいは、オミクロン株というのがどのぐらい強力なのか、というこってすね。

国立感染症研究所
SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第4報)」
2021年12月15日19:00時点 12月17日 一部修正
www.niid.go.jp

いうてるまにさっき国内初のオミクロン市中感染3人出ましたな。大阪かぁ・・・。

12/24. クリスマスイブ。
いうてるまにきのう京都でもひとり経路不明の市中感染が確認され、きょうは東京でも。やれやれ。
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市中感染が確認された大阪も京都も、感染した方は10日ほど前に感染しています。とすると、その10日間に他にも広がっている可能性があります。
またか、と思われるかもしれませんが、それは我々も同じ気持ちです。
しかし2年間の経験と学びから、前よりも上手に乗り越えていければと願っています。

ま、そういうことなわけである。

12/25. クリスマス。
さてはて、デルタ株の年末第6波と解釈すべきか、じつはオミクロン株の影響の垂直立ち上げが始まったと解釈するのか、わからんけれど、このタイミングのスタッツを。おさらいですが、このまえはつい3日前の12/22に書いてたんでそちらを参照しつつ。
いま見ると、「10万対発生数」が、東京1.6、大阪1.6、兵庫1.1、京都2.1、奈良0.2。実効再生産数で見ると(これは東洋経済のサイトのほうの数字,12/23時点)、全国1.29、東京1.27、大阪1.43、兵庫1.4、京都1.82、奈良*(この時点で陽性者0なので数字なしだった)、ってところ。実効再生産数にかんしては2日前の数字だけど、この2日のちがいは大きいかもと思いつつ。

西浦先生記事2本目。
www.buzzfeed.com
忽那先生。
news.yahoo.co.jp

12/29.
国立感染症研究所の記事2本。いずれも12/28付。1本目は、「第65回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年12月28日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします」とあるので、文責としてはアドバイザリーボードということかしらん。基本的なところはこっちが簡潔でわかりやすい。2本目のは、オミクロン株についてのまとめの最新版(第5報)。11月末に南アフリカで発見されてからひと月ばかりたったので、そろそろオミクロン株の性質が少しずつ見えてきつつある、ぐらいの理解か。
新型コロナウイルス感染症の直近の感染状況等(2021年12月28日現在)」
www.niid.go.jp
SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第5報)」
www.niid.go.jp
いろいろ参考になるけれど、2本目の記事から気になるところ:

ウイルスの性状・臨床像・疫学に関する評価についての知見
 
感染・伝播性
 オミクロン株の流行が先んじて報告された南アフリカでは、高い実効再生産数が報告され、イングランドからも倍加時間の短縮や感染者数の高い増加率が報告された。海外から報告された集団発生事例での高い発病率や、デルタ株よりも多くの家庭内二次感染例が報告されたことも伝播性の増加を示唆する所見である。ただし、観察集団の免疫状況や感染予防行動等の違い、オミクロン株同定のための検査戦略などの影響等も含めて、解釈には依然として慎重を要する。また、世代時間や潜伏期間がデルタ株に比較して短縮している可能性を示す所見があることにも留意する必要がある。倍加時間の短縮は、感染性の増大と世代時間の短縮の両方の影響を加味する必要がある。さらに、国内の積極的疫学調査から得られた暫定的な結果からは、これまでの事例(従来株やデルタ株による)に比較し感染・伝播性はやや高い可能性はあるが、感染様式が変化したり、著しく感染・伝播性が増加している根拠は得られていない。また、基本的で適切な感染対策(マスク着用、手指衛生、換気の徹底等)は引き続いて有効であることが観察されており、感染対策が比較的守られている状況下では爆発的な感染拡大には至っていない。引き続き日本におけるオミクロン株の感染・伝播性に関する知見の蓄積が必要である。
 
 国内の積極的疫学調査による結果に基づくと、同居の濃厚接触者において観察期間を7日とし、その期間を経過した者を対象とした場合、二次感染率は中央値22%(四分位範囲:0-100%)であった(11事例(対象者:計37名))。また、推定曝露日が得られた感染例(n=11)における潜伏期間の中央値は3日(四分位範囲:2.5-4日)、であった。ただし、各事例におけるワクチン接種率、感染対策状況を含む曝露状況について情報が十分得られていないことから、あくまでも暫定的な数字であり、解釈には注意が必要である。
 
 屋外の競技場や職場において、マスクの着用や同一空間の滞在時間に関係なく幅広検査の対象となった者のうち、現在のところ、感染例は検出されていない。
 
 オミクロン株の感染例が搭乗していた航空機について、乗客全員を濃厚接触者として14日間の健康観察が行われていた。12月25日までに健康観察を終了したオミクロン株感染例と同じ機内の乗客2,097人のうち、入国後にオミクロン株による感染が明らかとなったのは計4便の5人 (0.24%, 95%信頼区間(CI):0.07-0.56)のみで、うち2名は家族だった。また、1名は同乗の感染例とウイルスゲノム配列が異なっていた。一方、2021年12月3日から19日までの間に、到着時オミクロン株陽性者のいない便の乗客62,257名の中で、検疫での検査結果が陰性になってから14日以内にオミクロン株陽性となった者(またはL452R変異株PCR陰性者)は65名検出され(0.10%、95% CI 0.08-0.13)、これらの割合に有意な差はなかった。
 
 南アフリカにおいてオミクロン株の流行が始まった11月から12月4日までの報告例を基に算出された実効再生産数は2.55 (95%CI 2.26, 2.86)であった(NICD. The Daily Effective Reproduction Number in South Africa.)。
 英国においてはSGTFを認める検体(オミクロン株であることが疑われる検体)をモニタリングするサーベイランスが稼働しており、11月4週から12月3週のデータを用いて増加率(growth rate)が0.41/日と算出された(UKHSA. Technical Briefing 32)。またオミクロン株確定例に対する増加率が検討されており、0.45/日 (95%CI 0.44-0.46)と算出された(Imperial College London. Report 49)。
 またデルタ株と比較した相対的な免疫逃避の程度を考慮したモデルでは同時期の増加率は0.29/日と算出された(LSHTM. Modelling report)。
 上に伴い、英国では倍加時間(doubling time)も算出されており、SGTFデータおよびオミクロン確定例のデータから倍加時間はそれぞれ1.6日と1.5日と算出された(Imperial College London. Report 49)。またデルタ株に対する相対免疫逃避を考慮したモデルでは倍加時間は2.4日と算出された(LSHTM. Modelling report)。
 英国において2021年11月15日から12月6日の間に検体を採取されたオミクロン株感染例777例とデルタ株感染例115,407例を対象としたコホート研究では、オミクロン株感染例からの家庭内二次感染率(Household secondary attack rate)はデルタ株感染例と比較して、調整なしオッズ比で2.0倍(95%CI 1.7–2.4)、年代、性別、ワクチン接種歴等で調整したオッズ比で2.9倍(95%CI 2.4–3.5)であった。また家庭外の二次感染も含んだ二次感染率は1.96倍(95%CI 1.77–2.16)と推定された(UKHSA Technical Briefing 32)。
 韓国から報告された湖南保育施設関連のオミクロン株感染例25例の解析では、平均潜伏期間は3.6日(範囲2~8日)、平均発症間隔は3.1日(範囲1~7日)であり、デルタ株の平均潜伏期間3~5日、平均発症間隔2.9~6.3日より短かった。オミクロン株感染例での家族内二次感染率は44.7%で、デルタ株の約20%と比較して高かった。(3차접종 적극 참여, 누적 1,100만 명 넘어(12.20., 정례브리핑))。
 デンマークでは、150人の参加者が集まるイベントで、71人(47%)がオミクロン株に感染した事例が報告された。同国では2021年12月9日時点で、合計785例のオミクロン株感染例が確認されており、年齢は2~95歳(中央値:32歳)で、55%(433例)が男性であった。76%(599例)がワクチン接種を完了しており、7%(56例)は追加接種を受けていた。1%(9例)が入院治療(うち1例は集中治療)を要し、死亡例は報告されなかった (Espenhain L., et al.)。
 ノルウェーでは、オスロー市内のレストランで開催されたクリスマスパーティーに参加した111人中80人(73%)でSARS-CoV-2感染が確認され、ほとんどがオミクロン株による感染と推定されている。参加者の大多数は30-50代で、2回のワクチン接種歴を有していた。80人中79人が何らかの症状を呈し、多くの者はパーティーの3日後の発症であった。感染例の70%以上で咳、頭痛、咽頭痛、倦怠感を、半数以上で発熱を認めたが、入院例や死亡例は報告されていない.なお、この集団での潜伏期間は中央値3日だった (Brandal, RC., et al.)。
 
重症度
国内で経過観察されているオミクロン株感染例の初期の事例109例については、94%(103/109)が無症状ないし軽症で経過していた。海外の報告では、英国や南アフリカ等からデルタ株と比較した入院や重症化のしやすさの違いについての暫定データが報告されている。デルタ株と比較してオミクロン株では重症化しにくい可能性が示唆される。ただし、これらの報告では、オミクロン株感染例が若年層で多い、自然感染やワクチン接種による免疫の影響が考慮されていない等の様々な制限があること、重症化や死亡の転帰を確認するには時間がかかることを踏まえると更なる知見の集積が必要である。また、重症化リスクがある程度低下していたとしても、感染例が大幅に増加することで重症化リスクの低下分が相殺される可能性も考慮する必要がある。
・・・

世代時間や潜伏期間がデルタ株に比較して短縮している可能性。
飛行機の同乗者で感染ということはさしあたりことさらに考える必要はなさそう?
感染様式が変化したり、著しく感染・伝播性が増加している根拠は得られていない。
基本的で適切な感染対策(マスク着用、手指衛生、換気の徹底等)は引き続いて有効…感染対策が比較的守られている状況下では爆発的な感染拡大には至っていない。
重症化率はいくぶんかさがってるかもね。
といったところかしら。

潜伏期間が短いのでは、というのを聞いて気になってたのは、そもそものはじめにこの新型コロナがやっかいなのが、潜伏期間が長くてしかも症状が出る前にも、あるいは無症候でも感染力をもつ、なんともぐあいわるいバランスになっていて、だから感染制御が難しいのだ、というところだったような覚えがある。だとすると逆に言うと、感染者のウイルス量が大きくなったり、潜伏期間が短くなるというのは、それだけ制御しやすくなる方向性にいくのでは、とちょっと期待してる。ウイルス量が大きくなることでは、PCR検査なり抗原検査なりでもよりひっかかりやすくなった、というのもたしかTwitterでちょと目にした(Twitterでちょっと目にした、というだけなのでガセかもしれない)。

ちなみに本日の「10万対発生数」が、東京1.7、大阪2.0、兵庫0.9、京都2.7、奈良0.4。実効再生産数で見ると(これは東洋経済のサイトのほうの数字,12/27時点)、全国1.34、東京1.36、大阪1.58、兵庫2.15、京都1.76、奈良*(これはタイミングでまた数字出ずになってるってことかな)。ただし、この数字は基本的にはデルタ株のものという理解。大阪、京都ではオミクロン株の市中感染がぱらぱらと見られ始めてる、ぐらいの湯加減かしら。さっき引いた国立感染症研究所の記事より。

2021年12月27日までに日本において、計316例のオミクロン株感染例が報告された(2021年12月27日21時時点)。内訳*は水際関連空港検疫事例が247例(以下検疫例)、水際関連都道府県発表事例が33例、それ以外の事例が36例(大阪府14例、京都府12例、愛知県、山口県より各2例、東京都、富山県静岡県滋賀県広島県、福岡県より各1例より報告があった)であった。

国内オミクロン市中感染の初出が大阪で12/22だったか↑。それいらい、大阪で新規感染者は24+33+26+22+30+11=146人で、そのうちオミクロン株市中感染が14人(という計算でいいのかしら、大阪の感染者数のなかに空港での検疫例は含まれるのかもしれんか、そしたら計算は変わってくるけど)。おなじく京都は新規感染者は11+10+12+14+7+7=61人で、そのうちオミクロン株市中感染が12人(京都府には空港ないだろうけど水際関連というのは含まれるのか?)。ちょっと計算のしかたはわからないけれど、まぁそのぐらいの割合感。まぁいずれにせよ、ここ数日の感染者増は基本的にはデルタ株によるもの、という理解ですね。

12/31.おおみそか
おとついにこんな↑かんじで書いていたじつは数時間後に、新規感染者のニュースとともに、こういうTweetを見かけてたわけである。


まぁ、こうなるわね。
ちなみに大みそかの夜の時点の数字を。「10万対発生数」が、東京2.7、大阪3.5、兵庫1.4、京都4.7、奈良1.3。実効再生産数で見ると(これは東洋経済のサイトのほうの数字,12/30時点)、全国1.4、東京1.43、大阪1.62、兵庫1.52、京都2、奈良2.93。
よいおとしをということになるね。