通勤電車で読む『対話のことば オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』。パターンランゲージに落とし込んだ「使う」本、ということのよう。

本の形がほぼ正方形。内容的にはオープンダイアローグから抽出した「対話」のための心得集というかんじか。オープンダイアローグから「対話の本質」を30個の「ことば」として抽出してパターンランゲージの形式に落とし込んだ、ということのよう。一項目がひと見開きになっていて、見開きの形式も決められている。読む本、というより、「使う」本だよ、ということのようで、それがつまり正方形の版型にも表現されてるってことだろう。まぁ、読んだかんじではオープンダイアローグの入門(ていうか正確には、タイトルの通り、オープンダイアローグに学ぶ対話、の入門ということか)なのだけれど、そのように読む限りでいえばまぁふつうのことが書いてあるし、ふつうのことが書いてある限りでいえば普通の形式で読める本になってたほうが読みやすいだろう。なので、この本の評価は、パターンランゲージの形にしたというのをどう見るか、ってことになるだろう。で、自分的なパターンランゲージのイメージというのが、生成文法みたいなもので、つまり限られた語彙・文法の組み合わせで無限の文を生成する、というのとおなじように、限られた語彙をパターン群として把握しておいてその組み合わせで実践を生成する、みたいなイメージ。それでいくと、本書は、ちょっとオープンダイアローグの流れに沿いすぎてるんじゃないか、自由に組み合わせ可能な語彙集というかんじではなくて、いろいろな次元のことがらが「ことば」として同列に並べられてて、これをじっさいに「使う」にはけっきょくオープンダイアローグの流れに沿いながら随時、「心構え」として参照するってかんじになるんじゃないかなあ、という印象がなくもない。でもまぁ、自分的なパターンランゲージのイメージがずれてるのかもしれない。