『ルパン三世』みた。小栗旬のやつ。なんか「ルパン感」でいうと『コンフィデンスマンJP』のほうがあったかなと。

テレビでやってたので録画してたのを見た。『邦キチ!映子さん』で小栗旬が「ちょうどいい位のルパン」だと言っていた実写版。まぁルパン三世についてどうのこうの言うのは野暮というもので、まぁけっきょく『カリオストロの城』がよかったなあというのがベタな認識、しかしじつはあれは「宮崎駿」であってほんとうの「ルパン」はもっと違うってことなんだよなぁ、ぐらいが落としどころで、だから本作の基本的なムードに文句を言ってもはじまらないわけである。しかし舞台がシンガポール、香港、タイと東アジア感を出してたり、なんか知らん台湾人俳優が準主役みたいに登場するし、なんかやたら暗い画面の中でマシンガンによる銃撃戦や格闘をするし、第一印象が「香港ノワール?」というものだったのが正直なところ。香港ノワールあんまり知らんけど。しかし、たぶんたとえば『コンフィデンスマンJP』( https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2022/12/24/100824 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/01/04/230624 )のほうが「ルパン感」が出てたと思う。えーと、基本的にルパンという人は泥棒であってギャングやマフィアではないので、銃撃戦みたいなのは本業ではないし、ルパンにせよ次元にせよピストルで(五右衛門であれば日本刀で)勝負をつける。敵はマシンガンだので攻撃してくることがあったとしても、それにピストルで対抗して激しい銃撃戦をやるというよりは、まぁそういうときはどこからかヘリコプターが助けに来て「あばよ~」とか言いながら脱出する、あるいはいつのまにかゴム人形にすり替わっていてハチの巣になったと思った瞬間に爆発して敵の目をくらますとかそんなかんじ。つまり実写版でお金もふんだんにかけて念入りに銃撃戦を撮影したりするよりも、飄々と敵の裏をかいて危機一髪のがれる、みたいなつくりにしたほうが「ルパン感」が出る気がして、つまり『コンフィデンスマンJP』みたいなコンゲームのほうがまぁそのへんはよほどそれっぽかったかなあと。あと、ルパン次元五右衛門のチームワークはやはり「ルパン感」にはほしいところで、ルパンがどこでトリッキーな変装やあっと驚く作戦を見せるか、次元がどこでマグナムの腕前を発揮するか、五右衛門の斬鉄剣がどこで噓のような斬れ味を発揮するか、そしてそれらがどのように組み合わさって難題を解決するか、というのが、まぁ見ものなわけで、そのへんも、本作だと派手な銃撃戦のなかで目立たなくなってしまってたかなあと。なんか書いてるうちに『コンフィデンスマンJP』のほうがルパンでいいじゃんという気になってきたな。長澤まさみがルパンで。