越境入学、より柔軟に 「いじめ」以外も尊重

http://benesse.jp/news/asahicom/TKY200512190217.html

05.12.19 17:27
越境入学、より柔軟に 「いじめ」以外も尊重
 政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)が年末にまとめる答申に向け、教育分野の大臣折衝が19日開かれ、学校選択制や教師採用免許制の一層の弾力運用を目指すことを確認した。小坂文部科学相と中馬規制改革担当相が合意した。学校選択では、いじめだけでなく、部活動や学校への距離など、指定された学校以外への「越境入学」が可能になるケースを明確化し、選択の幅の拡大を図るのが特徴だ。
 21日予定の同会議で了承のうえ、小泉首相に答申する。06年3月に閣議決定する「規制改革・民間開放推進3カ年計画」に反映させる予定だ。
 学校選択制をめぐっては、同会議側は「選択権は本来、児童・生徒の側に与えられているはずなのに、現状ではいじめがあった場合などしか認められていない」と、制度の硬直性や保護者の情報不足を指摘。これに対し小坂文科相は大臣折衝で、学校教育法施行規則を改正し、現行制度でも学校変更が可能であることを保護者に周知徹底させることを提案した。
 文科省の説明では、現在の学校教育法施行令に「相当と認めるときは、保護者の申し立てにより変更することができる」とある点を、保護者に出す就学通知に明記することを市町村教委に義務づけるよう規則改正するとした。
 「相当と認めるとき」については、児童・生徒がいじめられているケースや、指定されたよりも自宅から近い学校がある場合、部活動の有無などを同省が市町村教委に例示、基準を明確化するよう指導する方針だ。同会議はこの点を施行規則で文科省が明示するよう求めている。