個人情報過剰保護「暮らしにくい」6割…読売調査

こういうニュースが気になる。
かなり恣意的な話の運びできもちわるいかんじがするんじゃないか。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051226-00000016-yom-soci

読売新聞社が行った個人情報保護法に関する全国世論調査(面接方式)で、国民の6割が個人情報の漏えいを懸念するとともに、個人情報の過剰保護によって、暮らしにくく不便な社会になるとの不安を感じる人も、6割近くに達していることがわかった。

 今年4月に全面施行された同法については、個人情報保護を理由に、役所などが情報を隠したり、出し渋るケースが出ており、国民の多くが、こうした対応に不信を持ち、顔の見えない「匿名社会」の進行に不安を抱いていることが明らかになった。

 調査は今月10、11の両日に実施。役所などが個人情報を過度に保護することで、「暮らしにくく不便な社会になる」との不安を「感じる」は計57%で、「感じない」計39%を大幅に上回った。また、個人情報保護法の「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護する」という趣旨に沿って、同法が適正に運用されていると「思わない」が計61%で、「思う」は計25%だった。

 役所や学校、警察などで相次いでいる個人情報の出し渋りの具体的事例六つについて、おかしいと思うかどうかを聞いたところ、すべてで「おかしいと思う」が「思わない」を上回った。

 「おかしい」と思う人が最も多かったのは、「地方自治体が、災害時に助けが必要な一人暮らしのお年寄りなどの情報を、地域の世話役である民生委員に教えなくなった」で、84%。続いて、「病院などが、事件や事故でけがをした人の容体や、容疑者の入院の有無について、警察の問い合わせに応じなくなった」「中央官庁や地方自治体が、懲戒処分の職員の氏名や、退職者の天下り先を公表しなくなった」各78%、「学校が、児童・生徒の緊急連絡網を廃止した」75%――などの順だった。
(読売新聞) - 12月27日3時11分更新

個人情報「過剰保護」といういいかたやと、まるで、個人情報を保護することに反対するような世論を醸成しようとしてるようにきこえるではないですか。
でもねえ、自分の個人情報を勝手に漏洩されたり、あるいは自分が普通に生活しているだけで個人情報が勝手に抜き取られて収集されてたりしたら、やでしょう?
そういう個人情報データベースみたいなものは、いまげんざいでもできあがりつつあるわけで(まぁ、ここも含め、ブログなんてものじたい、個人情報を効率よく収集してどっかに売り飛ばすのに好都合なシステムなわけだけど)、
それにたいして、アクセスの仕方をコントロールする仕組みがないと、
ある技術なりある組織的権限なりをもつものたちだけがやりたいほうだいになる、ような気が、するじゃないですか。
新聞社なんて、メディアの最たるもんなわけですから、それでずいぶん好きなことができるようになるだろう(ていうかもともと、「個人情報保護法」って、マスコミの自由な取材活動を制限して、つごうのいい公式アナウンスだけを伝えさせる御用メディアにしよう、という政治的思惑があったのだ、などというまことしやかな話もあるわけで)、
個人情報保護法」そのものがいい法律であるかちうと、それは首をかしげてしまうところはあるけれど、
だからといってその問題点を「個人情報「過剰保護」」というふうに表現してしまうと、それもちょっとちがうと思う(もんだいは、「保護」をどのように上手にしていくか、ということであって、「過剰」だとか「過少」だとかいう量的問題ではないですよね)し、
なんか、一般人の「個人情報」の宝の山を巡って、政府やら行政やら企業やらとメディアとがアクセス権の奪い合いをしているようで、
いずれにせよこちらとしてはぞっとしない。
だいいち、

役所や学校、警察などで相次いでいる個人情報の出し渋りの具体的事例六つについて、おかしいと思うかどうかを聞いたところ、すべてで「おかしいと思う」が「思わない」を上回った。

などというアンケートのとり方自体が、絵に描いたように恣意的で誘導的なわけですよ。でしょう?こういうことやる人たちに、個人の権利の保護について公正な精神を、手放しで期待できる気がしないわけですよ。じゃないすか。