昔、工芸系の専門学校で授業をもっていた時に、学生さんに『鴛鴦歌合戦』紹介したら、まぁあたりまえのことだけれど、ウケに受けたのだけれど、その次の週だったか、お返しというわけでもないのだけれど、これを紹介してくれた。マキノの傑作と並べるというのは酷かもしれないけれど、それはそれとして、とても面白くて、よかった、という記憶がある。で、ひさびさに見直したら、記憶以上によかった。
なんてことのないオペレッタ映画なんだけれど、パロディとかキッチュ度とか、ミュージカル的な楽しさとか、ほのかなせつないラブコメ度とか、充実してるなあ、と。なんだかんだいって今にしてみれば大スター共演だし。
若尾文子がかわいくていい。姫役のときの台詞は、たぶん実存主義かぶれの若者、っていうところかしら。1959年。「最近の若い者は・・・」みたいなせりふがあるけれど、当時はサルトルだったってことかしらん。
- 出版社/メーカー: 角川書店
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レビュー
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
木村恵吾監督が始めた、タヌキたちが主人公の時代劇ミュージカルシリーズの第1作目。狸御殿のきぬた姫は人間と結婚する夢を叶えるために家出する。姫の身代わりにされた娘タヌキのお黒の父・泥右衛門はよからぬ陰謀を思い付く。若尾文子が二役を好演。
内容(「Oricon GE」データベースより)
狸たちを主人公に、恋あり笑いありのラブコメを、歌と踊りをふんだんに散りばめて華やかに描く和製オペレッタシリーズ。市川雷蔵、若尾文子、勝新太郎、中村玉緒らが豪華共演し、監督・脚本は狸シリーズの生みの親・木村恵吾。
『狸御殿』、もともとは白黒で、1939年に木村恵吾が原作監督脚本、ということのようである。そのあとシリーズがなんぼんかあって、私は1942『歌ふ狸御殿』と本作とを見ている。jmdbのデータでは、本作はむしろ最終作になってるね。
さいきん鈴木清順がリメイクしたけれど見てないけど。しかし、鈴木清順っつっても、たちうちできるかなあ、もともとがキッチュでパロディだからねえ。ハードル高いぞー。