教委のニーズ把握不十分、学習者とずれ 生涯学習の関心テーマ

http://www.sankei.co.jp/news/060131/sha060.htm

生涯学習で学習者が関心を持っているテーマは情報やコンピューター、資格取得が多いのに、教育委員会は医療や福祉、少子高齢化にニーズがあると考えるなど、両者に大きなずれがあることが31日、文部科学省の調査で分かった。
 文科省は「教委の把握が不十分なことが分かった。社会教育の取り組み方に工夫の余地がある」としている。
 調査によると、学習者にとって関心が高い上位テーマは、情報やコンピューター46%、自然保護・環境問題33%、資格取得30%の3つ。一方、教委がニーズが高いと考えているのは医療・保健・福祉57%、少子高齢化・介護56%、自然保護・環境問題52%だった。
 また、学習者の18%が科学技術に、10%が司法制度・裁判員制度に関心があるとしたのに対し、教委は、それぞれ1%と2%で、ニーズをほとんど把握できていないテーマもあった。(共同)
(01/31 18:23)

ほうほう。
このへんのはなしは、「必要課題/要求課題」というはなしにもかかわってくるのか。
たしかに、要求そのものを読み違えているとするといかんというのはわからんでもない。
でも、こういうのは、調査のしかたにもよるし、たとえば学習者のあいだで「情報やコンピューター」に関心が高いということを、知らない教育委員会はないはず(講座を開いたときの参加者の反応でいちばんよくわかるわけなので)。なので、「教委のニーズ把握不十分」という言い方は、これまた実態とずれるような気はする。けどなあ。

「必要課題/要求課題」について検索をかけたら、昔の滋賀県生涯学習の報告書がみつかった。
http://www.longlife.pref.shiga.jp/learning/nse/S63/001.html

昭和63年11月滋賀県 社会教育委員の会議
社会教育の現状と課題
・・・
必要課題が、意欲的、主体的に学習されるためのプログラムの作成と指導の工夫

 県民の学習ニーズは、高度化・多様化している傾向にあるが、どちらかといえば、自己の“いきがい”につながる趣味・教養的な学習内容に偏りがちである。
 つまり、「要求課題」としての学習志向が強い。
 しかし、学習には「要求課題」の学習だけでなく、市民として社会生活を営んでいくうえで必要な「かたい」学習もある。
 これには、福祉・健康・人権・自然環境・資源・公害・ボランティアといったものから、高齢化や国際化さらに情報化などの社会の変化にともなって変化に対応するための学習、即ち「必要課題」があげられる。
しかし、県民にとってこの「必要課題」が、まだ自己の学習課題としてとらえられていないし、「要求課題」の学習のように意欲的に、主体的に学習されていないのが現状である。
 さらに、「生涯学習社会」においては、今まで以上に「必要課題」の学習が重要になってくると考えられる。
 このため、「必要課題」といった「かたい」学習が「やわらかい」学習のように意欲的・主体的に学習されるようさまざまな工夫がされなければならない。
 つまり、「必要課題」の学習にかかる学習プログラム(内容・方法)が今までと同じ内容でよいのか見直される必要がある。
・・・

まぁそういうことはあるわけなんやが、
それにしても滋賀県が惜しいなあと思うのは、生涯学習のサイトのurlが「longlife」になってるってことだと思う。生涯学習、ですから「lifelong learning」のはずなのですが。ねえ。longlifeじゃ「長生き」だよ。
いや、いまは引っ越して新アドレスになってるのだけれど。
http://www.longlife.pref.shiga.jp/learning/index.html
http://www.nionet.jp/index.html